パソコン自分史(18) それは私です
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T保険会社の代理店システムの再構築にBiz/Browserの採用が決まって一段落した2001年の1月。多摩センターの居酒屋で、初めてお客様の田中さんと飲んだ。初めは仕事の話を中心にビジネスライクに話していたのだが、そのうち田中さんが、「私、片貝さんてもう一人知っているのです。日経文庫で、パソコン活用の手引きという本を書いた人がいましてね。」とおっしゃる。「その本の冒頭に書いてある、困った銀行員の話は、まさに私だったのです」とも。その話とは、計算の苦手な銀行員が表計算ソフトを手中に収めたことで、融資の審査資料を手早く作れるようになったという話だ。そして表計算ソフトは単なる計算のためのソフトではなく、シミュレーションツールですと書かれていた。田中さんは、当時ホストコンピュータの運用設計を担当されており、複雑な計算を何度もしていたが、計算ミスで苦労していた。そこでEPOCALC(だったと思う)に出会い、パソコンの素晴らしさ、表計算ソフトの素晴らしさを知ったのだという。そして私の書いた「パソコン活用の手引き」に出会った。
「それを書いたのは私です」という言葉にびっくり仰天されて、家に帰って書棚から取り出し、確かにそうだとわかって、夜中の12時過ぎに電話がかかってきた。忘れられない思い出だ。あれから田中さんとは大変懇意にしていただいている。田中さんはBiz/Browserの恩人です。
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