精神異常なのはあなたです
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「仕事をすればするほど忙しくなっているような気がするんだけど」。
同僚に横合いから声をかけられてハッとした。ITの目的は、人々の豊かな暮らしだろう。ITによって、どんどん経済のスピードが増し、人々は物質的に豊かになった。しかし、それと引き換えに、時間的ゆとりがなくなり、精神的にやせ細ってしまった。技術的には、これから、ユビキタス社会の実現に向けての競争が始まるだろう。そして、あと10年もすれば相当満足するところまで行っていると思う。そして、そして、人々はますます忙しくなる。チャップリンのモダンタイムスの世界だ。
昔は、定時になれば、仕事から解放されて、夕闇の中に消えることができた。しかしユビキタス社会では、人はどこにいても、連絡がつき仕事ができる環境を、インフラとして提供される。仕事が三度の飯より好きだという人には天国だが、食べるために仕方なく仕事をしているという、実は多くの人にとっては、迷惑この上ない社会が実現する。
社会を動かしているのは、三度の飯より仕事が好きな、私も含めて、一握りの人間だ。ある精神科医に言われた、「精神異常なのはあなたです。うちに来る患者さんは普通です」と。
さてどうするか。
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