カスタムIEMを自作:BA型の方が簡単!
先日、カスタムIEMを自作する話題を書きましたが、ダイナミック型は実に難しいので、初めて作るときにはやっぱりBA型がお勧めと書いておくことにしました。。
1号機のダイナミック型ドライバーを使ったものですが、どうしても低音が出ないのが気に入らず、悩んでいたら・・・そういえばドライバーの空気抜き穴を埋めてしまったのではないか?と気がつき、分解です。
接着剤ではなく、UVレジンで固めてしまいましたが、削れば意外と綺麗に剥がせる感じです。フェースは再利用できませんが。
粉だらけになります。
黒いテープが貼られているところに空気抜き穴がありました。
が・・・テープが微妙な役割をしているらしく、剥がしてしまうと周波数特性がひどいことに!代用品をいろいろ試しましたが、どうもまともな特性にならなくなってしまいました。
ということで、ダイナミック型は良い解決策が思いつくまで放置することにし・・・
BA型ドライバーで2号機を作りました。ドライバー単独の写真を取り合わすれましたが、Knowles RAB-32257というフルレンジドライバーで、1個1500円くらいで購入できるものです。とっても小さいドライバーです。なお、BA型でも低音までだすものは大抵空気抜きがありますので、埋めてしまわないように気をつけましょう。わざと埋めて特性を変えて使うこともあるようですが。
ドライバーが小さいので組み込みも簡単!シェルは先日16秒照射で作っておいたものです。ドライバーはできるだけチューブを短めにする為に奥の方に固定しました。
音の出口はチューブを面一ではなく、少し引っ込めました。さらに下で紹介しますが、音響フィルターの一番弱いものを出口付近に入れてあります。
今回は中身が空っぽで、スケルトンにしても寂しい感じなので、フェースは貝を使ってみました。これまた初めての作業なので気に入らないところがたくさんありますが。
ちょっと表面も荒れていますね。もう少し丁寧な作業をせねば・・・。
貝殻は裏に黒など濃い色が良いらしいので、黒の塩ビ版に張り付けました。もう一回り小さく加工しないとエッジが綺麗に加工できないですね。
さて、音の方ですが・・・
ドライバーに作業用に長目のチューブをつないだ状態で測定したものです。2k付近に嫌な山がありますが、とてもこんな小さなドライバーとは思えないほど低音も出ていますね。
チューブを短めにしてシェルに組み込んだ状態です。
チューブを短くすると2k付近の嫌な山がなくなりました。チューブは長目という情報もあるみたいですが、個人的には短めの方が変な山ができない気がします、今のところ。。
出口付近に一番弱いフィルターを入れた、とりあえず完成状態です。ピークが落ち着いて良い感じの特性だと思います。なぜか右の方が低音が弱いですけど。。
フィルターの有無を比較してみると、ちょうど良い感じに高域のピークが抑えられた感じです。チューブないのフィルターの位置も議論されていますが、個人的にはチューブの長さによってできたピークを抑えたいなら出口付近が良いと思っています。ドライバー側だとフィルター通過後にチューブによってピークができてしまいますので。
もっとも、音楽を聴いた感じでは、フィルターはなしでも全然問題ない感じでした。むしろ切れ味がある音でその方が好きな人もいるかも知れません。中音域のピークはかなり不快な音になることが多い気がしますが、高域は個性という感じかも知れません。私はゴミの侵入を防ぐためにもつける方を選択しました。
ということで、BA型はダイナミック型に比べてとっても簡単です。何もしないで良い音が出ます!カスタムIEMにチャレンジしようという人は、まずはBA型で作ってみる方が良いと思います。見ていた息子も「作りたい!」と言い出しました。BA型なら普通にきちんと作れば音で困ることは少ないと思います。個人的にはダイナミック型の音も好きなので、まだまだ挑戦はしたいと思っています。
====追記====
もう少し見た目も綺麗にしてみました。着色用のインクで濃い目のブルーにして、重ね塗りしました。
貝を使ったフェース部分にはインレタでロゴを入れ、濃いブルーで重ね塗り。それ以外の部分もブルーで薄くコーティングする感じで塗っておきました。
まあ、とりあえずこのくらいで完成としておきます!