プレイングマネージャー
私が社長になったのが2005年11月ですから、早いもので来年の秋には10年経つことになります。私の場合は雇われ社長ですので、自分で起業した社長とはかなり異なる点が多いのですが、ずっと考えていることが、「経営と実務のバランス」です。
雇われ社長として最優先なのは、きれい事を抜きにすれば「利益を出すこと」です。利益が出なければ会社を続けることができませんから当たり前です。
中小企業の場合、事業規模が小さいことからどうしても好不調の波の影響が大きくなります。不調の場合を想定して利益を維持発展させるために、どうしても会社全体が「実務優先」になりがちです。
私自身がプログラマーとしての仕事もできるため、私自身も実務を優先して、まずは利益に直結する仕事をすることが多い傾向がどうしてもあります。とはいえ、以前のような受託仕事をどっぷりと私が担当することは減りましたが、製品の開発・導入支援・サポートなどの実務を私がかなりやっていますし、私しかできない部分もかなりある状態です。
本来は、会社の将来につながる動きをしたり、仕事が円滑に進むための環境作りを社内外に対して働きかけるような動きこそ、社長としてやらねばならないと考え続けているのですが、なかなかそちらに頭を割く余裕がない状況が続いてしまっています。
多くの中小企業は、トップがプレイングマネージャーとして、先頭を切って実務で稼いでいると言われていますが、それ故に戦略的な動きが取れず、なかなかチャンスをものにできなかったり、長期的な視野に欠けがちになってしまうものだと感じています。
もちろん、プレイングマネージャーにも良い面はあります。仕事の現場に触れることで、業界のことも感じられますし、社員達が直面する問題も良く理解できるというメリットもあります。しかし、トップが出ていくとどうしてもトップがコミュニケーションの中心になってしまうため、社員の人脈が育ちにくいというデメリットもあります。
受け身の受託中心型から、製品開発販売を中心とした提案型にようやく主軸を移せつつある現状こそ、私自身も実務優先から抜け出す機会だと考えているのですが、なかなかそう簡単にいかないのが中小企業です。
私自身も気がつけば50歳間近。そろそろ実務ばかりに忙しい状態を変えていかねばと考えつつも、今日も開発・サポートの仕事が盛りだくさんだったのでした・・・。