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プログラミングでメシが食えるか!?

全員同じ方向を向かせれば良いというものではないのでは?

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「組織は1つの目標に向かって心を一つにするべき」とよく聞きますが、あまり無神経にそれをやり過ぎるとマイナス面もかなりあると最近考えるようになりました。

当社のIT関連事業では、「受け身からの脱却」ということで、「下請け仕事から提案型への転換」を進めてきました。それ自体はIT製品の実績も積み上げ、売上・利益共に伸びていると同時に、得意分野がわかりやすくなったおかげで、特注品開発などの相談も、「どこでもいいから」という仕事ではなく、「ぜひお願いしたい」という感じに変わってきて、成果は十分出てきているわけです。

ところが、開始時点でこの方向転換を強引にやり過ぎた為、受託型が好きな人たちと提案型が好きな人たちの、かなり深刻な対立も生まれてしまったのです。

新しいことは始めてすぐに結果が出るものではありませんので、製品開発事業も最初のうちは手間暇かかるばかりでなかなか儲かりませんし、あたるかどうかもわかりません。そんな博打的な方向性に反対する人も当然いたわけです。

私の方向性としては、従来の下請け受託仕事は必ず苦しくなると考えていましたので、提案型独自路線に舵を取らなければ近い将来相当ひどい状態になると考えていましたので、現時点で儲かるかどうかはともかく、チャレンジする方に力を注ぎました。さらに、製品で儲かるようになるまでは製品関連メンバーも受託仕事でも稼ぎながらという配慮もしました。

無事に提案型が立ち上がった今、振り返ってみると、少し強引すぎたという反省もあるのです。

会社は何か一つの事業だけで安定して成長を続けることはとても大変です。その時々で儲かる事業は変わっていきますし、儲かっているうちに次の準備をするからこそ会社が成長していけるものです。新しいことを始めた時点で、「従来型の仕事など将来がない!」と切り捨ててしまうと、新しいことが立ち上がる前に会社が回らなくなってしまう心配もあります。

新しいことが立ち上がってくれば良い面も具体的に見えてきますから、いろいろな趣向のメンバーをいきなり全員同じ方向に向けなくても、自然と変わっていくものなのだと感じてきました。

当社全体では、現在、IT関連の他に、ゴルフ練習場向けシステム、プリント基板実装設計関連の事業を行っていますが、私が入社した20年前くらいには、プリント基板実装設計事業が最大組織で、ゴルフ練習場向けシステムはまだ始めておらず、メカトロ関連の製品・受託をしている組織がありました。IT関連はプリント基板事業のCAD開発担当だった私が立ち上げたものです。新しい事業はどれも最初は困難にぶち当たり、収益的にも他の事業が支えていたのです。それから世の中の変化と共に各組織の規模も変化してきました。今ではIT関連とゴルフ練習場関連を合わせた製品開発事業が規模も稼ぎもボリュームが増えましたが、プリント基板関連事業がなければ会社が回らなかったかもしれません。

ここまでは自分たち目線での考えですが、さらにお客さん目線でも同じことが考えられます。会社の主軸でなくなってきた事業をいきなり簡単に切り捨てたのでは、その事業のお客さんが困ってしまうのです。会社の大切な役割の一つである「社会貢献」という観点からも、自己中心的に考えてばかりでは良くないと思うわけです。

まあ、そんな感じに、一つに決めきらずに経営しているからいつまでたっても中途半端なんだ、という見方もあるとはわかっています。しかし、どの事業も会社を支える中心だったこともありますし、その事業を責任持って担当してくれたメンバーもいるわけです。社運ももちろんですが、メンバー一人一人も人生をかけていますし、お客さんも頼りにしてくれているわけです。

ということで、私の最近の考えでは、「全員同じ方向を強制的に向かせる」よりも、「新規分野で突っ走りたい人たちを応援しつつも、既存分野もないがしろにしない」というのが良いのではないだろうか、と変わってきたのでした。

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