2011年度上半期のソフト開発関連事業の感想
まもなく2011年度上半期が終わるというところで、社内は大忙しの状況ですが、上期は無事にノルマを超える見込みとなりました(まだいくつか怪しい案件があるのですが)。当社に限らない傾向だと思いますが、IT業界の中でもソフト開発関連は、上期は仕事が少なく、下期が多い傾向です。上期は予算取り・仕様決めあたりのフェーズが多く、下期になって実際の開発が始まり、年度内に検収まで終える、というパターンが多いためです。このため、業績としても毎年ほぼ上期は少な目、下期は多目となります。上期はノルマ達成も危ういことも多いのです。
さて、ソフト開発関連業界は度重なる不況の影響を受けると共に、金融系の統合の大仕事も片付きつつあり、さらにクラウドをはじめとして独自開発をしなくてよいような技術の普及により、かなり苦しい状況にあります。
当社のソフト開発関連事業も、2007年度あたりから業績が伸び悩みはじめました。その前あたりから、固有技術のアピール強化のポイントとして、製品開発事業を本格的に立ち上げはじめ、同時に、ブログを中心に、「会社の雰囲気」「得意分野」「今後の狙い」などを強化し、得意分野で勝負したいメンバーを集めることにも力を入れてきました。
恥ずかしいので、具体的な数値はお見せできないのですが、この上期の売り上げの割合をご紹介しましょう。
「受託開発」というのは、従来通りの下請的な受託開発です。「受託開発(製品関連)」というのは、製品の開発・販売をきっかけに、特注品の開発の依頼をいただいたようなパターンです。
従来通りのいわゆる受託開発が大体半分を占め、残りを製品自体、あるいは、製品をきっかけに受託開発をご依頼いただいたもので売り上げています。2010年下期はもっと製品の割合が高い結果でした。
売り上げの遷移を見ても、受託開発の仕事で稼ぎにくくなっている傾向は見えます。
製品開発販売を立ち上げていなかったらと思うと、ある意味ゾッとする結果です。
売上高だけの観察でも製品の効果は明らかなのですが、実際は、他にもポイントはあります。
・従来型受託は業界全体で仕事量が減り、下請けの取り合いが発生し、単価の低下・短納期化などの流れがある。
・製品開発販売は、販売店さんの協力により、メンバーが何人動くかとは無関係に売り上げがたつ。
・製品の評判で当社自体の知名度もアップする。
・製品をきっかけに、特注品の依頼をいただくケースは、当社の強みを理解した上で依頼いただけるので、他社との値引き交渉に巻き込まれることはまずなく、しかも、得意分野なので、開発効率は圧倒的に高く、難易度も高く、ノウハウも蓄積できる。
「他ではできない分野」を追い求めた効果が今のところ「吉」と出ていると感じています。もちろん、この先はわかりません。が、受け身ではなく、「自らやってみる」ことにより、切り開ける道は広がることは間違いないということは私自身の経験からも、これまでの結果からもわかっています。
この方針のポイントは、メンバー一人一人の意識です。私の考えでは、「組織の目指すところ=個人の目指すところ」です。全部とは言いませんが、共通の目標を持てることで、組織はより力を発揮できることは間違いないと感じています。2011年度下期もさらなる発展を目指し、メンバー共々頑張りたいと思っています!