仕事の道具
旧ブログでも書いた話題なのですが、また書いてみます。私が直接関連している事業はソフト開発関連事業で、メンバーは基本的には全員ノートPCを使って仕事をしています。サーバ機として据え置き型も使いますが、実作業はほとんどノートPCです。社内外で移動しながら使用できるというのが一番のポイントでしょう。
さて、ノートPCは基本的に会社支給品を一人1台使っていますが、ノートPCはかなり個人の好みが分かれる装置で、大体社内の勢力分布としては、「Let's Note」「dynabook」「MacBook」「その他:NEC,VAIOなど」という感じになっています。選択の基準としては、「担当しているお客さんに合わせて」「個人的な好み」あたりが多い感じです。
さらに、個人PCを含めると「MacBook」の割合がかなり高くなります。個人PCを仕事で使うとは何事だ!という話は後で書きます。
ソフト開発関連を行っているIT事業部では、「ネットワークチーム」「WEB-DBチーム」「支援チーム」の3チームで構成されていますが、「ネットワークチーム」は断然「MacBook」派が多い(というより全員)です。これはOSの好き嫌いもありますが、そもそもネットワーク関連の仕事はLinux,SolarisなどUNIX関連が多いと言うことがポイントでしょう。Mac OSXはBSDベースで、UNIX系の開発がそのままできるというメリットがあります。また、Mac派の主張としては、どうしてもWindowsを使わなければならないときは、VMWare,Parallelsなどの仮想環境で起動すればよいが、Windowsを使っていてMac環境を使いたいというのはかなり難しい、ということもあります。そもそも多くのMac使いはWindowsをメインで使う気はほとんどない気もしますが。
「WEB-DBチーム」は無宗派が多い感じです。Javaを使うならOSは何でも良いし、そもそもサーバ機が別にあり、それと連携させるので、環境はあまり気にしない、ということで、さらにドキュメントをMS-OFFICEでと要求されることが多いため、Windowsで良いじゃない、という感じでしょう。
「支援チーム」は、実はVC++の達人や、C#愛好家がいるので、Windows派と言えるでしょう。
さて、個人PCを仕事で使う?の件ですが、私の意見としては、「作業用のPCは会社支給にすべきだが、クリエイティブな仕事用は個人PCでも問題ない」と考えています。クリエイティブな仕事は仕事環境も重要で、使い慣れた環境かどうかで実際に仕事の効率は大きく変わります。そもそもプロ野球選手が支給された汎用品を使っているか、ということと同じことです。個人PCだと情報漏洩やウィルス感染が怖い、という意見に対しても、クリエイティブな仕事をするレベルのメンバーが情報セキュリティなどの知識を持っていないわけがなく、そもそも個人PCといってもほぼ仕事でしか使っていない、という事実があります。盗難や置き忘れの問題も、30万円近く自腹で払ったPCをなくすわけがない、むしろ会社のものだからいい加減に管理する恐れがある、と考えています。
まあ、少数精鋭でやっているからできることだ、という意見も正しいと思います。さらに不正接続検知システムをはじめとして情報セキュリティ対策製品を販売しているくらいなので社内でももちろん稼働させています。ネットワークを野放しにしているわけではありません。また、もちろん、お客さんが駄目といえば使いません。しかし、不思議なことにというか当たり前というか、クリエイティブな仕事を依頼してくださるお客さんで「個人PCは絶対駄目」と言う人はほとんどいません。
道具に対する愛着はとても大切なことだと思っています。プロ野球選手も、試合の後必ず手入れをするそうです。道具を愛する人の方が適当に扱う人より仕事もきちんとやりそうだと感じませんか?それに、手帳やペン、鞄などは個人持ちが多いと思います。手帳とノートPCでどのくらい違うのか、不思議な気もします。
単純作業と創造的な仕事を一元管理しようとするから良くわからないことになるのだと思います。人月単価制の問題と同じですね。誰がやってもほとんど同じ仕事であれば、統一的な管理・基準で良いと思いますが、人によって能力も質も異なる仕事は、価値で判断すべきだと思います。そういう業界にならないと、若手のIT業界離れに歯止めをかけることができないと思うのですが、どうでしょうか。
ちなみに、私はメインマシンとして「MacBook Air」一応、補助として「VAIO-TZ」自宅では「VAIO-A」をAV/ゲーム用に使っています。他に家族用に使い古しの「Let'sNote Y2」「Let'sNote B5FR」、その他ザウルス2台など、結構たくさん使ってますが、仕事はほぼ「MacBook Air」のみで問題ありません。全て自腹で買ったものですが、社長なので個人PCと言われるかどうかは微妙なところです。もちろん自腹で買ったので大切に使っていますし、壊れても意地でも自力で直して使い続けています。これらのノートPCたちのおかげで仕事はもちろん、著書も書いてこられましたから、安い投資です(なかなかそう割り切れませんが)。買ってしまったから本を書くなどして取り返さなければ、と自分を追い込むのに有効なことは確実です。