良くない「楽観視」をしていませんか?
相変わらず忙しなく時間が過ぎていきますが、それでもやはりなるべく多くの人とのコミュニケーションを大事にしようと意識をしている今日この頃。私はこのオルタナティブ・ブログ以外にもアメーバブログにてブログを更新しているのですが、そちらで色んな方からちらほらメッセージを頂いておりまして、「お話伺わせて下さい」とか「ご相談させて下さい」といった連絡を結構な頻度で、主に起業や独立のアーリーステージに位置している方々から頂きます。当然私もビジネスマンとして活動しているので、割くべき時間に時間を使う事を優先してしまっておりますが、その中でも応えられる限り(かつ、応えたいと思う人に限り)、そういった連絡に応えてお話をする機会を設けております。
そこで一つ、起業や独立を志す人の中でも結構な割合の人が陥っている、「良くない問題点」が見えてきました。今日はそんな所のお話を、私の経験や主観の話をたっぷり交えてつらつら綴ってみます。
【ビジネスで成功を掴む事に対して、「楽観的」に物事を捉えている人が意外と多かった】
一番顕著に感じたのが、自らの夢や理想を実現するまでの行程に対して、非常に楽観的に捉えてしまっている人が多いという事です。この話をする前に一点前提条件として明確にしておきたい事があるのですが、私は強くポジティブシンキングを推奨しています。あらゆる事象に取り組む上で、基本スタンスは「前を向く」という考え方。この姿勢を、自分自身にも私のクライアントに対しても徹底して根付かせて(根付かせようとして)いこうと日々ビジネスに取り組んでいます。ネガティブに考える事もありますが、結局ネガティブに考え過ぎると行動が出来なかったり思考が停止したり、はたまたモチベーションが激下がりなんて事になる可能性も出てくるので、やっぱりなるべくポジティブシンキングでビジネスに取り組むのが良いというのが私自身の持論です。
ただ、じゃあ「ビジネスに取り組むときは何も考えずに楽観的か?」と聞かれれば、100%「No」と答えます。物事に取り組む姿勢としては前向きに明るく、楽しみながらという考え方ですが、実際に行う行動は、どこまでも思考し、戦略を練り、緻密にリサーチやテストマーケを行いトライアンドエラーを繰り返した上で、成果に結びつける為の最善のアクションを愚直にこなすという、「当たり前だけど最も重要な行動プロセス」をしっかり踏まえた上での行動にする様日々意識しながら励んでいます。何事の事象に対しても楽観的に捉えずに、常に問題や課題に向き合いながら、それらをブレイクスルーして理想に近づけようと頑張っているつもりです。(「いやいや頑張りが足りないよあなた」ってご意見がある知人がおりましたら、そっと私にメールでご指摘下さい。笑)
恐らく私が楽観的に捉えようとする時は、自分のメンタルが潰れる直前なんだろうな、と考えてみて思います。メンタルが潰れてしまったら、完全に思考も行動も停止するパターンがほとんど。それこそ自らが向上する上では最も大きなリスクとなるので、その位追い込まれたら多分、楽観的になる事でしょう。
で、ではその起業や独立といった行程をいざこれから歩む方々に会ってきてどんな事を感じたかという話ですが、ここで先に述べた「楽観的」という言葉が出てきます。具体的に起業をするまでの準備や独立をしてその後の事業を安定させるといった行程をほとんど考えられていないにも関わらず「これで上手くいく」と思ってしまっている人の数が、私が考えていた以上に多かったのです。もちろん、それで「100%上手くいかないよ」なんて言うつもりは全くありません。ただやはり、具体的なロードマップを明確に描けている人(描こうと努力をしている人)の方が、自身の理想に近づける確率は高まると考えられます。だからこそ、そうした「楽観視」を自らが事業に取り組む際には取り除いてしまい、しっかり現実や問題課題と向き合いながら改善成長に向けた努力をしていく事が重要であるとのメッセージをこの記事で伝えようと考えたのです。
【楽観視をしている人が多い属性パターン】
では、具体的にどんな人が、見ていて「楽観視しているなー」と感じる人だったのでしょうか。実際に直接会って話をした事のある人の中でそんな事を感じた属性パターンを下記にまとめてみました。私が実際に会った人の中の話なのでかなり主観が偏っているかと思いますが、その辺は実際にそう感じたという事実を踏まえて見てもらえると嬉しいです。
・環境依存、メンター依存パターン
自分が勤めている会社や、自分がメンターとしてお世話になっている人の力や存在に依存し、その環境にいるだけで自分も成功できると考える人のパターンです。口癖は、「うちの会社は成長できるから」「メンターに付いてる人が○○億の会社を経営してる凄い人でその人に教えてもらってるから」「他の環境とは違ってここなら成功できるから」と自らの力や自信を語らず外部要因を誇って語るイメージ。このパターンが正直一番多いパターンでした。確かに良い環境があり良いメンターが付いているかもしれませんし、そこで得れるものも多大にあるかもしれませんが、やはり向上で目を向けるべきは「自分自身」でなければならず、こうした着眼点を持てずに環境やメンターの良い所ばっかりを捉えて自分が成長できると考えるのは、やはり楽観視と言わざるを得ないのかなーと個人的には思っています。成功させるのは環境でもメンターでもなく自分自身な訳ですからね。
・制約条件ありきで物事を考え、非常に狭い選択肢の中で行動をしているパターン
時間がない・お金がない・環境がない・経験がないという諸々の制約条件を取っ払う事ができずに、自分が出来る行動の中だけで行動を判断し、行動している人のパターンの事を指しています。「残業が多いから準備は日曜に計画を練っているだけ」「ビジネスコーチングを受けたいけど、お金がないからまずは自力で」「起業している人が周りにいないから手探りだけど、仲間と一緒にやるから大丈夫」「営業はやった事ないから、営業で成果残してる人と一緒に起業しようと考えている」などなど。本当はそんな状況を向き合って「その中でどうするか」と考えなくてはいけないのに、「○○はない。けどないのは仕方が無いから」と考えてしまう思考をする人が多いです。これは主観ですが、私はそんな制約条件ありきで物事捉えて順風満帆に経営が出来る程、ビジネスは簡単ではないと思っています。時間がないなら寝ないで作るとか、お金がないなら頭下げてお金を調達するとか、環境がないなら自ら作るとか、営業出来ないなら営業出来る様死ぬ程努力するとか、そんな行動が必ず必要になる世界だという認識です。それを受け入れずに、今の状況で出来る事だけやっている状態にも関わらず、「これで大丈夫」と判断するのは、狭い視野でしかビジネスを捉えていない典型的なパターンだと思っています。制約条件ありきで物事考えず、制約条件を取っ払った状態で「何が必要か」をしっかり突き詰めなければならないんですね。
・根拠にならない自信を持ち慢心を抱いているパターン
高学歴やエリート企業で勤めている人が陥りがちなパターンです。「この会社で億単位の案件を何本もこなしてきたんだから、自分で会社やった方が儲かる」「俺東大だし、営業やった事ないけどちょっと勉強すれば出来る様になる」など、全然根拠と自信が結び付いていない状態にも関わらず自信を持って「これで大丈夫」と判断している人、実は結構多かったりします。当然地頭が良いので、それでも上手くいく人は上手くいくでしょう。しかしそんな慢心を抱いている人で実際に転けてきた人も、今まで何人も見てきたのも事実です。
・自信がなく問題意識も持っているけど、それでも改善に向けた行動をしないパターン
これは、どちらかというと起業や独立を行う事に対して明確な必然性がない人に多いパターンです。自信がなく問題も自覚していて、本当に起業や独立を志すのであればその問題を解決させなければならないにも関わらず、行動しないという状況の人を指しています。これは楽観視というよりかはただ必然性がないだけの可能性もありますので、そういった状況であれば無理に起業や独立に向けて活動しなくてもいいのではないかなという私の主観もあります。
・自分なりに問題課題に向き合い改善のロードマップを引いてはいるものの、そのプランが稚拙なパターン
これは非常にもったいないパターンで、自らの知見が狭かったり問題解決能力が低い事により、ちゃんとしたロードマップを引いているつもりでも全然理想にたどり着けないというパラドックスが生じている状況の人を指しています。このパターンは基本マインドはしっかり整っているという事でもあるので、後は自らの理想に向かう為に必要な「正しいインプット」を行えば、理想に向けての具体的行動が出来る事が多いです。なのでまずは正しいインプットを行う事を意識していかなければいけないのですね。
以上、5つのパターンを挙げてみました。この様に洗い出してみると、ただ「楽観視」しているという事実だけを分析しても、様々なタイプの「楽観視」が存在します。
【楽観視しない様になる為に】
ではどうすれば楽観視しないで自らの理想に辿り着くために最善のロードマップを組み立てる事が出来る様になるのでしょうか。絶対の答えは存在しませんが、「こういう人は楽観視しないで行動しているな」という話は、自らのコンサルティングや研修での経験の中で思い当たる節がいくつかあります。今日はその中でも重要な考え方を5個、ご紹介します。
・外部要因を組み込まない、自分だけの具体的なロードマップを描く
所属している会社やメンターとしている人といった外部要因から得れるものをロードマップに組み込まないだけで、不確定要素の大多数を取り除く事ができます。よく、「この会社に入ってから三年間は頑張って、その後起業する」なんて事を言う人もいますが、この様に「会社という環境で得れる不確定な要素」をロードマップに組み込まないで、「起業家として必要な○○と□□と△△を三年間で体得する。その為に●●と■■と▲▲という取り組みを××の様なスケジュールで取り組んで行く」という様な具体的かつ自分自身の行動に対してのロードマップを引くだけで、より理想に辿り着く為の明確な道筋を構築する事ができるようになるのです。
・制約条件を取っ払い、「どうする事がベストか」を考える
これは既に述べている通りで、最善のアクションプランを考える時に「あれも出来ない、これも出来ない」という考え方ありきでアクションプランを選ぼうとすると、非常に狭い選択肢の中からでしか行動を選ぶ事が出来なくなります。楽観視をしていなくても、そうした状況ではどうしても最善のアクションプランを作り出す事が出来ません。制約条件を取っ払って「何が必要か」「何をしなくてはいけないか」を考えていく思考順路が重要になります。
・自分の実績や経歴をフラットにし、今後の事業計画にフォーカスを絞ってプランニングを行う
実績や経歴を自信に励むのは良い事ですが、実績や経歴で過信し「上手くいく」と考えるのは良い事とは言えません。一番の理想は実績や経歴を考えず事業計画を組み立て、取り組んで行ったら実績や経歴が助長効果を発揮した、という流れ。初めから実績や経歴に頼るのはやめましょう。
・「何となくやってみたい」精神を捨てる。やるならしっかり必然性を持って。
人は、必然性がなければ、本気で行動しようとしません。起業や独立も同じで、「何となくやってみたいな」というモチベーションで本気で頑張れる人はまずいないです。何となくやってみたい位なら、やらない選択を取りましょう。でもやりたいなら、必然性をしっかり自分の中で構築してから行動していきましょう。必然性があれば、問題意識に気付ければ改善に向けた努力を本気で取り組む事が出来ます。
・人に依存はだめ。だけれども、活用は積極的に。
「自立する、依存しない=人に頼らない」という考え方を持っている人が多いですが、これは間違いです。自発思考でその状況化の最善策を考えた時に、人に頼る事が最善(わからない知識を教えてもらう、お金を払いコンサルタントにアドバイスを貰う、メンターからフィードバックを貰う、などの行動)という結論を導けたなら、積極的に人に頼った方が良いと思います。わからない事、不安な事を全部自分で自己完結しようとしたって、上手くいくはずもありません。わかる人に聞くなりお金払って教えてもらうなりすればいい。こうした「外部リソースの活用」は依存さえしていなければ積極的にしていく方が、時間的にも質的にも劇的に向上する可能性もあるので、そこまで俯瞰的に捉えた上で、自らのロードマップを組み立てていくと良いでしょう。
さて、5つのポイントを挙げてみました。こうした点を踏まえて理想に向けたロードマップを組み立てる事で、楽観視せずに現実や問題課題と向き合いながら最善のアクションプランを自ら策定する事が出来る様になります。こうした考え方は、聞けば「当たり前」と思う事ばっかりです。でも実際にいざ自らがそうした取り組みをしていこうとすると、どうしても疎かになってしまう傾向があります。せっかく起業したり独立したりするなら、誰もが自分なりの成功を掴みたいはず。是非、そんな成功を掴む為にも、今一度「自分は楽観視していないか」を自問し、より明確なロードマップを引ける様自らの考えを再考していってもらえればなと思います。
それでは。
P.S.
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