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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

ダッシュボードへの進化を始めたWeb型グループウェア

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 昨日のニュースの中に「ネオジャパン、Ajaxを利用してWebブラウザをデスクトップのように」というものがあった。Web型グループウェアとして定評のある「desknet's」がAJAX技術を取り入れて進化しようとしている。

 メールやスケジューラといったグループウェア製品は、日本では永らくロータス・ノーツ/ドミノの独壇場であった。そしてロータス・ノーツ/ドミノは、相当のシェアを持っている。ロータス・ノーツ/ドミノがこのポジションを維持しつづけている理由は、その豊富な機能と簡易なアプリケーションを柔軟かつ高速に開発できる拡張性やきめ細かいACLによるセキュリティの確保によるところが大きいが、それ以外にも専用のデスクトッププログラムによるきめ細かい操作性への配慮も無視できない。

 実際に過去にロータス・ノーツ/ドミノから移行を考えているユーザから相談を受けた際にWeb型グループウェアへの移行を打診し、デモンストレーションを実施した際には、「マウスでスケジュールの棒をつまんで引き伸ばせない」とか「ドラッグ&ドロップができない」といった不満を即座に指摘されて一瞬で却下された経験もある。こういった(我儘な)日本のユーザの期待に答えられるロータス・ノーツ/ドミノ以上の操作性を持つグループウェアとなると、ちょっと前まではMSの提供するエクスチェンジ+アウトルックぐらいしかない状況であった。

 ところが、ここ最近Webベースでもきめ細かい操作ができるものが各社ベンダーから発表されつつある。例えば日立製作所の「Groupmax V7」。昨年この製品の最新版のデモを見た際には驚愕した。Webベースのアプリケーションであるのに、ダブルクリックやドラッグ&ドロップ、そして柔軟性を持った右クリックまでをデモで見た際にはまるでクライアントアプリケーションかのような錯覚にとらわれた。これらをActiveXなどの追加モジュールを使わずに基本はJavaScriptで実現しているとの回答には、

「さすが日立製作所が本気を出して開発をすると違う」

と素直に感心したものである。残念ながら現時点では「Groupmax」の大規模導入事例をあまり耳にしてはいないが、あの操作性とWebベースというセキュリティ面での堅牢性を生かせば、今後グループウェア分野である程度のシェアとポジションを獲得することも予想される。

 ネオジャパンの今回の発表は、こういったグループウェアベンダーによるグループウェアのダッシュボード化(デスクトップ化)の流れの一環だと観るべきで、Web型グループウェアの大規模場な技術革新とそれに続くさらなるシェア拡大が間近に迫ってきている。

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