軽自動車1台分の費用でヨットを維持するぜ
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敬礼!船長(自称)のながはまです。軽自動車1台分の値段で20年落ちのヨットは買えるわ、都内の駐車料金並みの費用で港に泊められるわ、いうことないねっ! と色めきたっている船長候補生の皆さん。「そんなこといったって、月々3万円台なんて都心の一等地にある駐車場並みじゃないの。贅沢は敵っ」と家族から反撃されているのでは?
し!か!しっ!
年間のランキングコストで比較すると、「月1万5000円」という、都市圏でごく一般的な駐車場を契約して1台の自動車を維持するのと「そんなに」変わらない費用でヨットが維持できるのです。
細かい経費は後々紹介するとして、1年でかかる費用を車とヨットで「ざっくり」と並べてみましょう。
どのような乗り方をするのかで車の維持費も大分変わってきますが、ここでは「年間走行距離1万キロ」「任意保険は年6万円」「車検、自賠責保険、諸税金支払いは1年で4万円」「駐車場料金は月額1万5000円」「燃費はリッター当たり12キロ」という平均的な条件の軽自動車を想定して計算してみると、年間費用は約38万円になります。なお、ここには高速道路などの有料道路料金や出先で使う駐車場料金は含まれていません。また、車検時に見つかった不具合の修理費用も計算に入れていません。ちなみに、同じ条件で車種を1500cc以下に変更すると年間費用は42万円になります。
ヨットの場合、ディーゼルエンジンを積んでいれば使う燃料は軽油です。26フィートクラスのヨットでよく使われているヤンマー発動機の「1GM」という単気筒エンジンは燃費が「リッター当たり1時間」(ヨットの場合、燃費は時間で表す)です。普段、近場で帆走する楽しみ方なら出港と入港のそれぞれで30分、一回の航海で1時間ぐらいエンジンを動かす程度です。このほか、年に数回ほどの泊まりがけクルージングでどれだけエンジンを回すかですが、全部エンジンを使って航海したとしても、一泊二日のクルージングなら長くても20時間程度ではないでしょうか。
近場の日帰り航海で1回1リットル。週末ごとに出て1年で48リットル。年に2回ほど泊まりがけクルージングに出たとして40リットル。1年で消費する燃料は90リットル弱になります。費用は9000円程度。
ちなみにヨットには自動車税、重量税に相当する税金はありません。車検に相当する船検が3年に1度。そのときに購入が必要になる火薬類が限定沿海なら6000円程度。ほかに検査費用が定期検査で2万4300円、中間検査で1万4900円。定期検査と中間検査は3年ごとに交互で行われるので年平均にすると6500円強。
保険も法律で定められている強制加入保険はありません。ただし、マリーナが契約条件としてヨット専用保険の加入を求める場合が多く、この場合、物損補償、捜索費用補償のプランで年間1万円程度になります。また、民間のレスキュー組織「BAN」の加入も求められる場合もあり、こちらが年間で1万8000円になります。
海に浮かべて港に泊めるヨットで問題なのが1年に1度必要になる船底塗装作業です。港の施設利用料にもよりますが、横浜ベイサイドマリーナで土日の2日間に自分が作業を行う場合、ペンキ代やハケ、電しょく防止の亜鉛の費用を含めて約7万円弱かかります。
これらを含めて、年間費用は約53万円強。
軽自動車や普通乗用車と比べて、まだ高いように見えますが、高速道路代などや任意保険の補償を充実させたプランを想定した試算では、軽自動車で年間45万円、1500ccクラスの普通乗用車で56万円という試算もあります。同じ試算では、ミニバンやワゴン車の場合で60万円を超えるケースもあるようです。
月額駐車場料金を1万5000円と想定しても、軽自動車とヨットの年間維持費はそれほどかけ離れたものにならないはずです。実を言いますと、私がヨットを購入するときに、家族を説得するのに一番効果があったのが、この「軽自動車1台分の費用でヨットを買えて維持できる」という試算でした。夢やロマン、ヨットが人生にいかにプラスになるかというストーリーも本人にとっては大事ですが、ヨットに興味を持っていない人を説得するには、やはり、お金の問題を実際の数字で示してあげるのが最も効果があるようです。
みんなもあきらめずに家族を説得しよー!
「費用がかからないのは分かったけど、どうしてヨットなの。ハンドルで動かせるパワーボートが全然楽じゃない」
おおう、確かにパワーボートがヨットより圧倒的に多いのは事実。その理由の1つが、「ヨットって難しそうじゃん」という誤解なのでっす。
というわけで、次回は、旅をするならヨットにしなされ、というお話。
いやー、ようやくお金の話から離れられるわい。
し!か!しっ!
年間のランキングコストで比較すると、「月1万5000円」という、都市圏でごく一般的な駐車場を契約して1台の自動車を維持するのと「そんなに」変わらない費用でヨットが維持できるのです。
細かい経費は後々紹介するとして、1年でかかる費用を車とヨットで「ざっくり」と並べてみましょう。
どのような乗り方をするのかで車の維持費も大分変わってきますが、ここでは「年間走行距離1万キロ」「任意保険は年6万円」「車検、自賠責保険、諸税金支払いは1年で4万円」「駐車場料金は月額1万5000円」「燃費はリッター当たり12キロ」という平均的な条件の軽自動車を想定して計算してみると、年間費用は約38万円になります。なお、ここには高速道路などの有料道路料金や出先で使う駐車場料金は含まれていません。また、車検時に見つかった不具合の修理費用も計算に入れていません。ちなみに、同じ条件で車種を1500cc以下に変更すると年間費用は42万円になります。
ヨットの場合、ディーゼルエンジンを積んでいれば使う燃料は軽油です。26フィートクラスのヨットでよく使われているヤンマー発動機の「1GM」という単気筒エンジンは燃費が「リッター当たり1時間」(ヨットの場合、燃費は時間で表す)です。普段、近場で帆走する楽しみ方なら出港と入港のそれぞれで30分、一回の航海で1時間ぐらいエンジンを動かす程度です。このほか、年に数回ほどの泊まりがけクルージングでどれだけエンジンを回すかですが、全部エンジンを使って航海したとしても、一泊二日のクルージングなら長くても20時間程度ではないでしょうか。
近場の日帰り航海で1回1リットル。週末ごとに出て1年で48リットル。年に2回ほど泊まりがけクルージングに出たとして40リットル。1年で消費する燃料は90リットル弱になります。費用は9000円程度。
ちなみにヨットには自動車税、重量税に相当する税金はありません。車検に相当する船検が3年に1度。そのときに購入が必要になる火薬類が限定沿海なら6000円程度。ほかに検査費用が定期検査で2万4300円、中間検査で1万4900円。定期検査と中間検査は3年ごとに交互で行われるので年平均にすると6500円強。
保険も法律で定められている強制加入保険はありません。ただし、マリーナが契約条件としてヨット専用保険の加入を求める場合が多く、この場合、物損補償、捜索費用補償のプランで年間1万円程度になります。また、民間のレスキュー組織「BAN」の加入も求められる場合もあり、こちらが年間で1万8000円になります。
海に浮かべて港に泊めるヨットで問題なのが1年に1度必要になる船底塗装作業です。港の施設利用料にもよりますが、横浜ベイサイドマリーナで土日の2日間に自分が作業を行う場合、ペンキ代やハケ、電しょく防止の亜鉛の費用を含めて約7万円弱かかります。
これらを含めて、年間費用は約53万円強。
軽自動車や普通乗用車と比べて、まだ高いように見えますが、高速道路代などや任意保険の補償を充実させたプランを想定した試算では、軽自動車で年間45万円、1500ccクラスの普通乗用車で56万円という試算もあります。同じ試算では、ミニバンやワゴン車の場合で60万円を超えるケースもあるようです。
月額駐車場料金を1万5000円と想定しても、軽自動車とヨットの年間維持費はそれほどかけ離れたものにならないはずです。実を言いますと、私がヨットを購入するときに、家族を説得するのに一番効果があったのが、この「軽自動車1台分の費用でヨットを買えて維持できる」という試算でした。夢やロマン、ヨットが人生にいかにプラスになるかというストーリーも本人にとっては大事ですが、ヨットに興味を持っていない人を説得するには、やはり、お金の問題を実際の数字で示してあげるのが最も効果があるようです。
みんなもあきらめずに家族を説得しよー!
「費用がかからないのは分かったけど、どうしてヨットなの。ハンドルで動かせるパワーボートが全然楽じゃない」
おおう、確かにパワーボートがヨットより圧倒的に多いのは事実。その理由の1つが、「ヨットって難しそうじゃん」という誤解なのでっす。
というわけで、次回は、旅をするならヨットにしなされ、というお話。
いやー、ようやくお金の話から離れられるわい。
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