7. クラウドによって私たちが手放したもの
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インターネットの本格普及が働き方の大きな変化につながったのは、
①クラウドサービスの拡充
②スマートデバイスの登場
の影響が大きい。
私はソフトウェア業界で働いてきたが、ソフトウェアは会社や自身のコンピュータに入れる方式が一般的だった。
2000年頃にはインターネットを介したソフトウェアも登場した。
今の20代の人は聞いたことが無いかもしれないが、ASP(Application Service Provider)と呼ばれていた。
その後はSaaS(Software as a Service)という言葉が出て、私たちも2007年の創業以降、名刺管理サービス「リンクナレッジ」を
「名刺管理SaaS」などと言っていた。
それが、GoogleやSales Force.comの広がりで、「クラウド」と言う言葉に置き換わってきた。
私たちも「リンクナレッジ」を「クラウド名刺管理」と説明するようになったが、それだけでイメージを持ってもらえるぐらい
「クラウド」という言葉は浸透してきたと思う。
最近はプライベートクラウドなどという、クラウドのコンセプトを骨抜きにするような言葉も出てくるぐらいIT業界でもインパクトが大きく、
業界構造はもちろん、企業の競争力、個人の働き方にも大きな影響を与えてきている。
ビジネスにおいて重要な要素は「ヒト、モノ、カネ、情報」と言われる。
クラウドは、一見すると情報の置き場所が「こちら側」から「向こう側」になっただけである。
しかし、人が何かを手放した時、そのものの価値は変わってくる。
ここが「クラウド革命」の本質だと思う。
クラウドの登場によって、私たちは「情報は、持っていることが大切である」という価値観を手放した。
それにより、「情報をどう使うかが大切である」という世界になってきた。
所有から利用へ。
情報に対する価値観の変化により、私たちの「働き方」も大きく変わってきた。
*参考
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