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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

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事業を縮小して間もなく、知り合いの社長から新しい仕事の話がありました。

その社長は、本来は自分の会社でやりたいということでしたが、人もパワーも不足しているということで、私に話が回ってきたのです。

工場の元請けですので、その会社が元請けの立場になり、私はその下請けになるのが普通のパターンですが、私に丸ごと回してくれるということでした。

大企業ではありませんが、規模の大きな中小企業ですので、普通に営業すれば門前払いで終わるでしょう。

直接取引できるのはとてもいい話ですので、その場で受けることを決めました。

ただし、鉄板の溶接の経験者が必要ということです。

鉄の溶接は大きく2種類あり、アーク溶接と半自動溶接になります。

今回は半自動溶接の経験者が必要だったのですが、事業を縮小した現在は、アーク溶接の経験者が何人かいるだけでした。

しかも、アーク溶接の経験といっても、鉄筋をチョン付けする程度ですので、鉄板を直線溶接することはできません。

でも、今回は鉄板の溶接だったのです。

参考までに書いておきますと、鉄板同士をつなげて真っ直ぐ溶接するのは、熟練の技がいります。

素人では真っ直ぐ溶接できない以前に、鉄板の貼り合わせ部分が見えません。

真っ黒の溶接面をかけて、溶接の光だけしか見えませんので、どこに進んでいいかわからないのです。

仮に何かで線を引いてあったとしても、その線は見えないということです。

私も経験がありますが、自分では真っ直ぐ溶接してるつもりでも、全然違う部分に肉盛りをしていたということがありました。(笑)

手を止めて溶接部分をちょこちょこ確認すると、不細工な継ぎ接ぎの溶接になってしまってダメです。

ということで、ほとんど経験のない半自動溶接で鉄板を溶接するのは不可能です。

しかし、私の辞書に「不可能」という文字はありません!

その社長は現状を知っていますので、「大丈夫か?」と心配していましたが、「まあ、何とかなりますよ。大船に乗った気でいください!ガハハハ!」と言って、安心してもらいました。(笑)

すでにおわかりと思いますが、経験者という触れ込みで行かせる作戦です。

少しでも触った経験があれば、私の会社では立派な経験者なのです!(笑)

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