【図解】コレ1枚でわかる変化への俊敏な対応を実現するマイクロサービス・アーキテクチャ
プログラムは、さまざまな機能を組み合わせて、全体の処理を実現し、業務の目的を達成します。例えば、オンライン・ショッピングであれば、ユーザーからのアクセスを処理する「UI」と、様々な業務処理（顧客管理、注文管理、在庫管理など）を行う「ビジネスロジック」を組み合せて、１つのプログラムにします。もし、同時に複数の注文があれば、そのプログラムを注文の数だけ並行稼働させます。このようなプログラムの作り方を「モノリシック（巨大な一枚岩のような）」と呼びます。
ただ、この作り方では、決済の方法が変わったり、顧客管理において外部のクラウドサービスを新規利用することになったり、などの変更が生じた場合、変更の規模の大小にかかわらず、プログラム全体を作り直さなければなりません。
また、変更を重ねるにつれて、当初きれいに分かれていた各ロジックの役割分担が曖昧かつ複雑になります。これにより処理効率が低下し、これが先に紹介した「技術的負債」です。さらに、ビジネスの拡大によって注文が増大した場合、負荷が増大するロジックだけの処理能力を大きくすることはできず、プログラム全体の稼働数を増やさなくてはならないため、膨大な処理能力が必要となってしまいます。
これらの課題を解決する作り方が、マイクロサービス・アーキテクチャです。これは、単一機能の部品を連結させることで、全体の処理を実現するもので、この「単一機能の部品」を「マイクロサービス」と呼びます。
個々のマイクロサービスは独立しており、あるマイクロサービスの変更が他に影響を及ぼしません。また、それぞれ単独に実行されます。この方式を使えば、機能単位で独立して開発・変更、運用ができ、マイクロサービス単位で実行させられるため、にも必要なマイクロサービスの実行数を増やすだけでよく、システム負荷の増大を抑制できます。このマイクロサービスをコンテナで作れば、どこででも稼働させることができ、クラウド・サービスと組み合わせれば、ただちに処理能力の拡大や縮小ができるようになります。
ただし、システムの複雑性が高まるため、導入前にメリットとデメリットを慎重に検討し、適切な開発・運用体制を構築することが重要です。
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