【図解】コレ1枚でわかるデジタルとITの関係
「デジタル(digital)」とは、「離散量(とびとびの値しかない量)」を意味し、「アナログ(analog)」すなわち「連続量(区切りなく続く値をもつ量)」と対をなす概念です。ラテン語の「指 (digitus)」が語源で、「指でかぞえる」といった意味から、離散的な数、あるいは数字という意味で使われています。
現実の世界は、全て「アナログ」です。例えば、時間や温度、明るさや音の大きさなどの物理現象、モノを運ぶ、誰かと会話するなどの人間の行為もまたアナログです。しかし、アナログのままではコンピューターで扱うことはできません。そこで、コンピューターで扱えるデジタル、すなわち0と1の数字の組み合わせに変換する必要があります。このプロセスが、「デジタル化」です。
そんなコンピューターを実現するための技術、例えば、半導体やストレージ、センサーや通信回線、アルゴリズムやプログラミング言語などの技術を総称して「Information Technology(IT):情報技術」と呼びます。
ITにはCommunication:通信 の意味も含まれていますが、これをあえて強調するために、ICT=Information & Communication Technology」という表現も使われています。両者は、基本的には同じ意味ですが、おおよそ、次のように使い分けられています。
IT:半導体やストレージなどのバードウェア、プログラミングや開発技法などのソフトウェアなどのコンピュータ関連の技術全般を説明する場合
ICT:上記を含み、特に通信技術の活用方法やそれを実現するハードウェアやソフトウェア、すなわち情報伝達を重視した技術を説明する場合
かつては、省庁によってもIT とICTは使い分けられていました。例えば、経済産業省では、コンピューター製品やその技術に関わる産業を担当するので「IT」を使い、総務省では情報通信産業を担当するので「ICT」を使っていました。ただし、両者は一般的には、明確な区別があるわけではありません。
2000年に日本政府が「e-Japan」構想を打ち出し、「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」(通称「IT基本法」)を成立させました。当時は、ITを使っていましたが、2004年に「e-Japan」構想を「u-Japan」構想に改正した頃から、ICTを使っています。なお、国際的にはICTという言葉が広まっており、そのため日本でもITに代わってICTが広まりつつあるようです。
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2022年10月3日紙版発売
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斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1
目次
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- 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
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- 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
- 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
- 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー