【図解】コレ1枚でわかる人間とデジタルとDXの関係
デジタルにはできない「人間力」の本質は、「創造性」と「感受性」です。
「創造性」とは、「0→1」のプロセスで、発見や発明、イノベーション、芸術性や美意識です。
「感受性」とは、「9→10」のプロセスで、応用や転用、発展や拡張、決定や判断であり、ものごとを成熟させ、次の「創造」を生みだす環境を育み、きっかけを生みだします。
一方、デジタルは、「生産性」に寄与する「1→9」のプロセスで、効率化やスピード、自動化や自律化、コミュニケーションや連係などの役割を果たします。
この3階層を追求すること、すなわち「デジタルにできることは徹底してデジタルに任せ、人間にしかできないことに、人間の役割を徹底してシフトする」ことができれば、「圧倒的なスピード」と「イノベーション」を、同時に生みだすことができます。企業の競争力は押し上げられ、業績は大きく改善します。変化にも俊敏に対処できます。
これを当たり前として受け入れ、実践できる企業に変わることが、DXです。
「デジタル化が進めば仕事が奪われる」ことへの懸念は、未だ根強くあります。しかし、ビジネスのグローバル化が進むいま、競争もまたグローバルで捉えなくてはなりません。それにもかかわらず、このような懸念が足かせとなって、変革を停滞させれば、企業の存続さえ難しくなるでしょう。
デジタルに奪われるべき仕事は、徹底して奪ってもらい、「人間力」をこれまで以上に発揮できる企業へと変わることで、グローバルに対処できる競争力を持つ企業になることができるのです。
このことからもおわかりの通り、DXに取り組むとは、デジタル技術を使うことではありません。デジタルと人間の役割を、それぞれの得意とするところへ徹底してシフトし、全体として、企業の競争力を底上げすることです。
そんなDXの本質に向きあうことができて、はじめてDXは、業績の改善に結びつくのです。
2022年10月3日紙版発売
2022年9月30日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1
目次
- 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
- 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
- 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
- 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
- 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
- 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
- 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
- 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
- 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
- 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー