【図解】コレ1枚でわかるDXとサイバーフィジカルシステム
現実世界の様々な「ものごと」や「できごと」は、モノに組み込まれたセンサーやモバイル、ソーシャルメディアなどの現実世界とネットとの接点を介し、リアルタイムにデータに変換されクラウドに送られます。
インターネットに接続されるモノの数は2020年の時点で500億個に達したといわれ、私たちは、膨大なセンサーに囲まれて生きています。こうして、「現実世界のデジタル・コピー=デジタル・ツイン」が生みだされ、リアルタイムにアップデートが繰り返されています。
「デジタル・ツイン」は、膨大な量のデータ(ビッグデータ)ですが、集めるだけでは価値は生まれません。そのデータから誰が何に興味を持ち、誰と誰がつながっていているのか、製品の品質を高めるにはどうすればいいのか、顧客満足を高めるためには何をすべきかなどを見つけ出さなければなりません。そのために人工知能(Artificial Intelligence /AI)技術のひとつである機械学習を使い、ビジネスを最適に動かすための予測や判断をおこないます。
そうやってサービスを動かして、機器を制御し、情報や指示を送れば、現実世界が変化し、データとして再びネットに送り出されます。
インターネットにつながるモノの数は日々増加し、Webやソーシャル・メディアもまたその種類やユーザー数を加速度的に増やしています。現実世界とネットの世界をつなげるデジタルな接点は増加の一途です。データ量はますます増えてゆきます。つまり、デジタル・ツインの解像度が、時間的にも空間的にも、ますます高まりつつあります。そうなれば、さらに的確な予測や判断ができるようになります。この仕組みが、継続的かつ高速に機能することで、ビジネスは、常に最適な状態に維持されます。いわば、デジタル世界と現実世界が一体となって、リアルタイムに高速に改善活動を繰り返すようなものです。
このような現実世界をデータで捉え、現実世界とデジタルが一体となってビジネスを動かす仕組みを「サイバー・フィジカル・システム(Cyber-Physical System/CPS)」と呼んでいます。
わたしたちの「フィジカル」な日常は、もはや「デジタル」と一体となって機能しています。
2022年10月3日紙版発売
2022年9月30日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1
目次
- 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
- 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
- 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
- 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
- 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
- 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
- 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
- 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
- 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
- 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー