【図解】コレ1枚でわかるデジタル化しなければならない理由
デジタル化することの根源的な価値は、「レイヤー構造化」と「抽象化」という2つの特性をビジネスに組み入れることです。
以前の記事で述べたとおり、「ハイパー・コンペティション」に対処するには、圧倒的なスピードが必要です。「スピード」とは、社会環境や顧客のニーズの変化に、直ちに適応することであり、迅速な経営判断と柔軟な業務プロセスの変更ができなくてはなりません。デジタル化は、そのための土台となります。
例えば、カレー粉は、カレーの香りや味わいしか作れませんが、カレーの香りや味わいは、クミン、オレガノ、ターメリックというスパイスの組合せでも作れます。ただ、辛味はありませんから、辛くしたければレッドチリペッパーを入れ、香りに深みを出したければ、カルダモンを入れるなど、スパイス単位で、柔軟にアレンジができます。また、他のスパイスと組み合わせれば、まったく違う料理にもなります。
このように基本的な要素に抽象化して扱えば、その組合せを変えることで、様々に応用がききます。
デジタル化は、カレー粉を元の要素であるスパイスに分解するように、業務の機能を要素分解し、その手順をレイヤ構造化することです。例えば、一番下のアプリケーションは、業務ごとに異なる手順に対応し、その上のミドルウェアは、データ管理や個人認証など、様々なアプリケーション共通で使う機能を、OSは、通信やストレージなどのコンピューターを制御する機能を提供します。最上位のコンピューターになると、0と1のビットデータとして扱われますから、下位レイヤーのいかなる処理でも受け付けます。
「販売管理」や「生産管理」、「会計管理」のシステムは、料理です。つまり、「カレー」、「ハヤシライス」、「肉じゃが」です。しかし、牛肉やタマネギなどの材料、あるいは、切るや煮るなどの手順は、共通の要素です。調味料を変えれば、それぞれの料理ができあがります。このようなレベルに抽象化しておけば、家族の希望で料理を直ぐに変更でき、いまある食材や調理方法を流用し、新たな食材や調理方法を組み合わせ、迅速、柔軟に新しい料理が作れます。
このような特性を業務や経営に組み入れることが、デジタル化です。
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