この看板から始まった
今年の夏休みは八ヶ岳南麓での1週間だった。夏休みとはいいながらも、起きている時間の半分は、いつも通り文章を書き、講義のためのプレゼンテーションを作る時間に費やした。残りの時間で、庭の雑草の刈り取り、森のパトロール、倉庫の片付け、料理のための買い物と調理、そして、わずかばかりの読書である。
「八ヶ岳なんて、のんびりできていいですねぇ」
そういうことを言う人がいるが、とんでもない、とにかくやることがありすぎて、「のんびり」どころではない。気がつけば、あっという間に時間が過ぎてゆく。夏休みの課題図書とした「GAFA」も、そんな日々の忙しさにかまけて半分ほどしか読み終えることができなかったのが心残りだ。
それでもいくつかの成果はあった。ひとつは、新しい料理に挑戦したことだ。例えば地元でとれた山椒の実で山椒麹を作り、それで漬けた魚をふっくらと焼き上げ、庭で獲れたブルーベリーを使ったソースでいただいた厚切りのポーク・ロースのソテーは、家族にも好評だった。
また、まとまったRPAについてのプレゼンテーションを作ったことも、自分なりに満足している。RPAについては以前にも資料をまとめていたが、改めて最新の情報を集め、何冊かの本を読み、友人が作った資料の助けを得て、新しい世界観で組み立てなおした。これは、近々紹介しようと思う。
そして、なんといっても大きなイベントが「バーベキュー小屋」が完成したことだ。実は、このような場所を持つことが、長年の夢だった。長年が何年かは忘れてしまったが、「東屋」と「囲炉裏」がどこかですり込まれてしまっていたようだ。
昔からアウトドアが好きだったこともあり「東屋」はちょっと一息とれて、いろいろな人たちと会話を楽しむ空間として、私のイメージにすり込まれていた。また、「囲炉裏」は炭火や薪の炎との静かな対話を楽しむアイテムであり、いつか自分の生活にも持ち込みたいと思っていた。
これを実行に移す決心をしたのは、冒頭の一枚の看板だった。私の中にある「東屋」や「囲炉裏」のイメージとスッと重なったのだ。いつも通る道路端に、普通なら見過ごしてしまうほどのささやかな主張しかしていない何気ない看板の美しさに惹かれたのだ。
しっかりとした書体ながら繊細であり、品の良さと丁寧さを感じさせる。何かがありそうだと、思い切って、なかに入っていった。
作業場で黙々と鉋(かんな)をかける職人、その傍らに見事に磨き上げられた自然の形そのままの白木の柱が丁寧に置いてあった。これは間違えないと声をかけることにした。
声をかけてから半年、やっとできあがった「バーベキュー小屋」は私が思い描いた以上の出来映えだった。地元で自分たちが切った木材を使い、それを釘を使うことなく組み上げてゆく。
生の木も平気で使う。だから、木はくさびで止めるだけで、緩んできたらくさびを打ち込めばいいという。基礎には自然の石をそのまま使う。コンクリートは使わない。冬の霜柱がハンパないこの場所では、地面に置くだけでは簡単に土台が浮いてしまうので、60cmほど地面を掘り、採石を入れて押し固めその上に大きな石を置いて土台にする。石は自然のものなのでそれぞれに個性あるカタチだ。そこで、石のカタチにあわせて木を削ってそれをのせてぴったりと合わせている。
柱や床の唐松は塗装もしない無垢のまま、梁や天井に使った赤松は虫が入りやすいというので柿渋で塗装している。それで大丈夫だというのだ。
何百年も前の大工仕事そのままにできあがった「バーベキュー小屋」は、まるで村の鎮守のお社のような出来映えだった。
囲炉裏も作ってくれたのだが、やはり地元で伐採した山桜の大木の一枚板に大谷石をはめ込んでいる。取っ手もまた山桜の枝を自然のカタチそのままに使っている。
とにかく、何から何まで自然のままに、それでいて、とても丁寧に匠の技で仕上げてくれた。
足場が取れるのを待ちきれずにご近所さんとまずは宴会。山の夜を楽しんだ。後日、夏休みで集まってきたご近所さんが、今朝釣り上げたイワナを燻製にしたというので、囲炉裏が大活躍することとなる。子どもたちは、花火に堪能し、大人たちは酔っぱらい、楽しい時間を過ごすことができた。裸足で踏みしめる唐松の床の優しさ、たちこめる芳醇な木の香りが、さらに宴を盛り上げてくれた。
大切にしたいと思う。そして、丁寧に育ててゆきたいと思う。そう思わせる気迫がある。村の鎮守のお社が、何百年も朽ち果てないように、息の長いお付き合いができればいいと思っている。
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ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
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【新規】速度と容量の違い p.217
【新規】ストレージ構成の変遷 p.217
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メモリ階層
コンピュータの5大機能
記憶装置の進化
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTビジネスとはどういうことか p.43
【新規】IoTビジネス戦略 p.45
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】AIやロボットに置き換えられるものと残るもの p.111
【新規】皆さんへの質問 p.131
【新規】求められる人間力の形成 p.132
【新規】新章の追加・AI用プロセッサーの動向 p.133-146
急増するAI 専用プロセッサ
人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係
深層学習の計算処理に関する基礎知識
AI = 膨大な計算が必要、しかし計算は単純
学習と推論
GPUはなぜディープラーニングに使われるか
データセンター向けGPU
GoogleがAI 処理専用プロセッサ「TPU」を発表
TPUの進化
クライアント側でのAI処理
Apple A11 Bionic
ARMのAIアーキテクチャ
開発と運用編
【新規】VeriSM p.6
【新規】早期の仕様確定がムダを減らすという迷信 p.13
【新規】クラウド・バイ・デフォルト原則 p.17
クラウド・コンピューティング編
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第28期の内容に更新しました。
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