「あそこが、そうだよ」と言われた日を思い出します
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3年前の冬、アップルの本社を、友人らとたずねたことがあります。その時、私たちは、シリコンバレーへの初訪問でしたが、幸運にも紹介者がいろいろと手を尽くしてくださり、同社の開発マネージャーの方とお会いすることができました。
内部は撮影ができないので、帰り際にとった記念写真です。
(一緒にいった友人たちや案内してくださった方の許可をとっていないので、顔にぼかしを入れています)
12月でしたが、シリコンバレーの気候は、日差しは明るく、さわやかな秋のよう。本社の中庭でじっくりと私たちの問いかけに答えて下った間、時おり木からリスがおりてくるのをみて、実に美しい中庭だなぁと、思いました。本社の中も、壁が有機的な曲線の多いつくりで、芸術的なところなんだな、と、印象に深くのこっています。
そんな中を歩いていてふと、疑問がわきました。
そして、"やっぱり、スティーブジョブズも、この中にいるんですか?"と、すごくつまらないことを質問してしまいました。
案内してくださった方は、ある一角を指さして「あそこが、そうだよ」、と。
私は想像しました。本人がちょうど出てきてすれちがったりしないかな、と。
もちろん、そんなことは起こらなかったのですが、もし、通りすがりに声をかけることができたなら、なんということができたのだろう、と少し後で思いました。スタンフォードの卒業式の講演、感動しました、とでもいうのだろうか。この建物はとても美しいです、と、見たままの感想を、ばかっぽく述べるのだろうか。どれも、わざわざ引き留めて言うべきことじゃないな、と思いました。
・・・
その後、本社脇のお土産屋さんで、リンゴのチャームとボールペンとiPodを買いました。それが、私にとって、初のアップル製品の購入となりました。
今も文具カバンに、そのボールペンは入っています。それでメモを書くとき、スティーブ・ジョブズの部屋の事を、たまに思い出していました。
"もし幸運にも会えたなら、かけるに足る言葉ってなんだろう。語るべきものが自分にはあるのだろうか。"
そう、自分に問いかけます。
自分なりには、志しを持って日々全力で生きているつもりですが、問いには、いまだ答えはみつかりません。
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