いない人にブレストに参加してもらう方法
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現代のブレインストーミングの研究者たちは、電子ブレインストーミングのようなシステムをつかったブレストの実験に、研究のメインフィールドを移しています。そして、最近は、体面の場において電子システムを使うものも、増えてきています。iPad的なアナログっぽい扱いが可能な電子道具が出てくることでそういう実験にさらに幅がでてくるだろうと、筆者は予想しています。
さて、そういう研究者コミュニティーにいるとおもしろい話題が入ってきます。ご紹介します。
ある教授が、大学院生さんたちに被験者になってもらってブレストの効果についての観察実験をしていたときのことです。
毎週、同じ被験者で繰り返していたブレスト実験、あるとき、どうしてもある院生さんが参加できない、ということがあったそうです。それでも実験自体は行おうということで、残りのメンバーでやることにしました。その時、その教授が、不参加になった院生さんに、あらかじめ発想のテーマをしめして、アイデアをカードに書いておいてもらいました。
さて、実験が始まり、いつもより一人少ない人数でブレストがはじまりました。教授は、ブレストで会話が途切れたときなどに、手元に持っていたカード(院生さんが書いておいてくれたアイデア)を数枚ずつ、場に投入しました。そうすると、そのアイデアに刺激をうけて、またブレインストーミングが活性化したそうです。
この方法、なるほど、と思いました。集団発想の構造として見ると、これは、ブレインライティングのプロセスの一部を組み込んだものです。発想が促進されるのも納得できます。
(多分、アイデアカードを出すタイミング、というのも影響要因としてあるでしょう。ホットな発言の状況で場に投入しても、流れに沿わないならば、読み流されてしまうでしょう。刺激剤として投入するには、時宜をみて、出す、それが大事と思われます。)
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ブレストについての、一つの示唆
そこにいない人も、ブレストへの貢献をすることができる。
参加できない人には、あらかじめ、アイデアを書いておいてもらい、適宜、場に投入しよう
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ちなみに、ですが、これは、参加している人にもできる行為なんです。
ブレストの間に「流れに沿わないアイデア」が出てきて、ついつい出せないでいたりします。そういうときにはアイデアをカードに書いておいて、手元に積んでおきます。それで、会話が途切れるようなときにだします。
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