役割を与えよう。
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本日も、ブレストの小さなコツ、ご紹介します。
このブログは、「ああ、来週、アイデア会議の進行しなきゃ、でも、
ブレストとかって、絶対、盛り上がらないよなー、うちの雰囲気じゃ。
なんか、強制的に、ブレストを回転させる方法ないかな?」という方から、
「ブレストは散々やりつくした。
ブレストなんて人から習うもんじゃないだろう。」
というツワモノにまで、
何かしら役立つものを提供したい、と思っています。
今回は、中間ぐらいの領域へのハウツーです。
ブレストをしてもほとんど発言しない人がいます。
いろんな要因がありますが、もしその人が参画意識はあるが
自分がしゃべるのは差し出がましい、と奥ゆかしい人であるならば
方法はたくさんあります。
その一つに「役割を与える。しかも1つだけ」という方法があります。
"その役って、なに?"
"司会者とか?"
というと、そうではありませんで、
「アイデア発想のトリガーの典型的なパターン」を、役割として、
提供します。それで、場のアイデアが多様になっていくことを
促進します。
「アイデア発想のトリガーの典型的なパターン」、というと急になんだか、
ややこしげな話に聞こえますが、簡単なものでして、
「逆さまジェネレーター」
「拡大ジェネレーター」
という役名をあたえます。
ジェネレーターは、生成するもの、生成する人、という意味ですが、
逆さまジェネレーターは、
あるアイデアが出たら、その中の要素なり、構造なりの一部を逆さまにした
アイデアを出すという使命を担います。
たとえば、今度の日曜日の建売住宅に人をよぼう、という営業マンたちのブレストで
だれかが「じゃあ、マグロの解体ショーなんてどうでしょう、
こないだテレビでも人気だっていってました」なんて出たら、
逆さまジェネレーターは、そのアイデアの中の何かを逆さにして、
アイデアを生成しようとします。
たとえば、解体、をさかさまにして、「組み立て」とか、
解体したするする人=プロ、食べる人=お客さん、という構造を逆にして、
お客さんが解体し、プロがその味を「うん、うまい」とか「ここをこうするといい」と
アドバイスしてくれる。
そんな感じに、アイデアの原型を出します。
そのままではすこし意味を成しにくいので、
「マグロの組み立てブロック(立体パズル)のプレゼント」とか(きわものですが)
マグロじゃ高すぎなので「鯵の三枚おろしのアドバイス」といった感じに
現実性をすこし加味したうえで、提示します。
・・・
先述のような人物ならば、こういう役割を与えると
「じゃあ、役割ですので、案を提示しますが・・・」
といった具合にアイデアを出してくれます。
もちろん、そもそも、やる気の無い人の場合には、
役割を与えても機能しなかったり、嘲笑するだけです。
メンバーの資質を見抜いて、そういう役割をセットすることが肝心です。
・・・
新規プロジェクトのメンバーがどうも、謙虚だな、とおもったら
たまには、ゲーム感覚の「役割を付与したブレストをしてみよう」ということで
そういうことをしてみてもいいでしょう。
逆さまジェネレータ、拡大ジェネレータ、のほかにも役割を創ってみるといいでしょう。
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補足:
筆者のチームの創った「創造支援ツール」の第一弾にあたる
「ブレスター(BrainStormingMaster)」は、ゲーム風に、役割を
持たせたブレストを実施させるツールです。
そこには
- 「トッピさん」(ひたすら突飛な、実現性のなさそうなことばかりを言わせる仕掛けのある役割)
- 「ビンさん」(ひたすら、誰かのアイデアをもじったアイデアをいわせる役割)
- 「リョウさん」(ひたすら、短時間でたくさんのアイデアを言う役割)
- 「ヨリヨクさん」(ひたすら、誰かの出したアイデアの良いところを褒める役割+場の批判コメントを抑制する役割)
という役割を、つくっており、一人が1つ担う、というゲーム構造にしてあります。
それらは、ブレインストーミングの基本ルールのエッセンスからつくった役割で、
ある種の順番でカードが出ると、うまくぐっと、盛り上がるようなことが
偶然おきるように設計しています。
万人にとって、このツールが良いツールではない、ということは
販売した結果、わかりました。
一方で、ある種の人・組織にとっては、とてもこういう方法が
効果的である(本来の力が引き出される)ことも、わかりました。
このゲームの一事例だけで上記の記事を書いたわけではなく、
あくまでも上記の記事を補強する意味で、つけさせてもらいました。
30年前に作られた創造技法の「アップル法(前にこのブログで述べましたが)」でも
偶然にも、役割を付与して、新商品企画会議をする、ということをしています。
その役名は、「逆さま大臣」「わるのり大臣」・・・といった名前です。
ぜひ、自分のブレストに、必要な発想パターンがあれば、
それを役割として、一人に付与してみてください。
彼が謙虚だけれども参画意識が高ければ、アイデアのジェネレータとして
ぐっと、ブレストを盛り上げてくれるでしょう。
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今日のブレスト・コツ
謙虚だが、参画意識のある人には、
アイデア発想のパターンの一つを役割として、与える。
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備考:
商売っぽいことを書くのはあまり主義ではないので、
筆者のグループの作った作品へのリンクなどは
あまりつけないでいたのですが、
今日の話は、展開の都合上、こういう事例がありますよ、というのを
示すのは、アイデアプラントの作品を事例にするのが手っ取り早そうですので
つけさせてください。
こまこまと、いろんな作品へのリンクを張るのは、美しくないので、
ツール全部パック(ただし、非売品を除く)のリンクをつけておきます。
役割を与える、というタイプの道具としては、フルセットの中の
「ブレスター」と「IDEAVote」が、それにあたります。
そういう構造をとると、本来のまじめな知的活動が、ゲームっぽくなって、
まずはみんなでやってみることが可能になります。
ぜひ、ご興味があれば、一度ご覧になってみてください。
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