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盛り上がるブレストばかりが良いブレストじゃない。沈黙も含めて大事にしたい。(アイデア・デザイン・創造学を研究しているといろんなTipsに触れます。600文字で紹介します。)

過去の自分は別の人。1人ブレストをグレードアップする方法

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この一人発想作業をグレードアップする方法があります。

まず、人の発想の特徴、という話からします。

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ある種の人は、過去の自分が書いた文章から、新鮮な着想を得ることができる。
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「自分が書いたものに?
 そんなの前から知っていたことなんだから、
 いまさら新鮮な着想とか、無いでしょ・・・。」

と思いがちなところですが、
実はちょっと違うんです。


詳しく書きます。


起業家のコミュニティーに顔を出していると、
ある種の起業家たちが異口同音に
「過去の自分とブレストが成り立つ」と話すことに気がつきます。

彼らは、事業計画書を幾度となく書き、バージョンの違うものを持っていて
創業して数年たった頃に、創業前に考えた初期の事業計画書
(計画書というよりも、もはや、ビジネスアイデアの書きなぐりに近いリスト)
をみてみると、"なんておもしろいアイデアだろう"と感心することがあるそうです。

そして、その中には、今の自分に気づきを与えるビジネスヒントもあり、
それを見ながら、また新しい可能性をつむぎだす、そんなことがあるそうです。


これは、他のカテゴリーの人にも見られます。
すこし上げてみますと・・・

ブログを力を入れて書いている人、
アイデアマラソンを続けている人、
計画書や提案型をたくさん書いて来た人。
漫画家さんなども。

彼らが同様のことを言及しています。
「過去の自分は別の人だ。」
「一年前のメモとは、ある種のブレストが成り立つ」と。


これは、発想技法の観点からすると
とても納得がいきます。

一年でも、たくさんのインプット(知識や体験)を得て、
人の思考状態は、すっかり違うものになります。
当時のメモを見ると、今の自分とは違う思考をそこに見ることができます。

そして、そこに含まれているアイデアには、
今の自分に発想の刺激をくれるものが結構ふくまれます。

というのも、「過去の自分は別の人。」とはいうものの、
思考状態が違うだけで、興味が近い人なので
出されているアイデアは、大いに賛同でき、広げやすい。

イメージとしては、自分と面白さのテイストが似ている友人と
ブレストをすると、すごく広げられるときがありますが、
それに似ています。


この話、さらにもう一つポイントがあります。

それは、過去のメモのうち、"初期段階のメモが、特にお勧め"、という話です。

人間の認知というものは、接近するほど詳細が見え、全体はみえなく、なります。
今のポジションよりはるか昔に、遠くからここを見ていた自分が
考えていたことは、観点の変更をもらたす刺激剤になります。

いくつもバージョンの違う企画書をもっているならば
バージョン1とかバージョンゼロを、ぜひ引っ張り出してみてください。
必ず、はっとするものがあるはずです。


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今日のポイント:

過去の自分は、"興味の根っこが似ている別の人"。
彼・彼女の示唆するアイデアは、大きな刺激になりやすい。

1人ブレストをグレードアップするには、
未来の自分にむけて、アイデアを文章で残すこと。

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これには時間がかかります。
しかし、今からはじめれば、一年後のあなたには助けになるものができます。
ご興味あれば、ぜひ、試してみてください。
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