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クラウドでエコ。米国版「でんこちゃん」はスマートメーターとWindows Azureでハイテク実装

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日本ではエコポイントが話題だが、米国でAzureを使った事例が新たに公開されている。
マイクロソフトが運営するオンラインサービス Hohm である。家庭でのエネルギー
消費量を表示して節電などのアドバイスを行う。現在はベータ版として無償公開されて
いるが、今後有償になるのか、広告モデルになるのかは確定していない。

公共料金の分析システムというと、ややありきたりなのだが、この事例の特長は、
ソフトウェア+サービス的なコンセプトを盛り込んでいる点にある。電気料金の測定に、
電力消費分布などがわかる高性能な電力測定器であるスマートメーターを組み込み、
デバイスでの自動情報収集から、クラウド側での分析、ユーザーや事業者への
分析結果の情報提供をシナリオに内包している。いかに大量データのmassiveな分析を
行える基盤がバックにあろうが、手間をかけずに情報をインプットするデバイスが
なければ実現は難しい。

このサービスはマイクロソフトが運営して、ユーザーに提供するのだが、
公共事業企業は、SDKを使用してこのサービスを利用した自社向けシステムを
構築することができる。ベータ提供の現段階において、Puget Sound Energy
Sacramento Municipal Utility DistrictSeattle City LightXcel Energy
4社が利用しているが、今後利用する企業が増えるにつれ、ユーザー数が
どこまで伸びるかわからない状況においては、不確定要素の高い想定をいくつも
おいてカチコチにキャパプラするよりAzureで気軽にスタートして負荷が高まって
きたら利用するノードを増やすことができるクラウド環境が適している。

徐々にクラウドの利用があたりまえになり、よりうまく使いこなす企業が米国を中心に
増えてゆく中、日本の状況はどうだろうか。少し前の話ではあるが、オルタナブロガー栗原氏が
モデレーターをつとめたパネルディスカッションの模様が掲載されている。使えない理由を
探すのはもうやめにして、使えるところから活用してゆけばよさそうなものを、準備、啓蒙が
行き届いていないベンダー側にも非はあるがどうにも腰の重い企業が多いのが実態だ。

日本の企業にとってのクラウドの課題は何か~キーマン・パネルディスカッション(司会:栗原潔氏)
パネルディスカッション「企業ITにとってのクラウド導入の課題・論点整理」レポート

そんな中、日本でも、最もコンサバな業界の一つである官公庁でクラウドを活用した
事例がでてきている。エコポイントや甲府市の確定給付金のシステムをforce.comで
実現したことは注目に値する。政府系システムのデータは日本にあるべきであるか
どうかなどと議論している間に、米国のデータセンターを活用したシステムが
あっさりできあがっているのである。

前例を作ってしまいさえすればあとはどうにでもなる、というのはあまりにも無責任な
言い方ではあるが、突破口が必要な段階において、これらの前例の持つ意味は大きい。
盲目的にデータ鎖国を唱える人々に対してはよいカウンターになる。

検討の結果、どうしても手元にデータを残しておきたくなれば、そうすればよい。
それこそまさにソフトウェア+サービス。クラウド上のSQL Azureに蓄積したデータを
オンプレミスのSQL Serverに移せばよいだけであるし、その同期ツールも着々と準備が進んでいる。

今後の政局がどちらに転ぶかはわからないが、ガラパゴスな産業をこれ以上増やさない
よう意識して政策を打ち出してもらいたいものである。

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