アプリの魅せ方を考えさせられるおばかアプリ選手権とイマジンカップ
土曜日にお台場で開催された第二回おばかアプリ選手権に参加してきた。当日は
UST中継もされており、コマ数などは多少きついが録画された様子を見ることもできる。
土曜日の開催でありながら、事前販売のチケットは完売、会場も満席であった。
誠に微力ながら、弊社マイクロソフトもアンケート記入用にちょっとオシャレな
Silverlightボールペンを拠出させて頂いた。
主催の@ITデザインハック河内氏によると「おばかアプリ」とは「うざいぐらいに
かわいくて、ムダにかっこいい。かゆくないところにも手が届くアプリ」のことらしい。
クリエイティビティあふれる10チームが自慢のおばかアプリを競い合ったのである。
昨今こういったお題では、もはや定番を超えて、ありきたりになりつつあるiPhoneアプリ
で実装しているチームが多い中、一番手で登場し、Visual Studioの画面を出しながら
ギターを弾きまくる紫熊(しぐま)というチームのプレゼンというか演奏は印象的であった。
紹介していたのは「ロッキンオフィス」という名称のおばかアプリであり、
エレキギターなどの電子楽器からの入力信号を文字入力に利用することで、
楽器を弾きながら仕事ができる…かもしれないというコンセプトである。パラッパの
伊藤ガビンさんを司会にしたのはこのためだったのか、と妙に納得してしまった。
個人的な感想としては、これはこれで「おばか」なコンセプトに合致していて良いのだが、
楽器という感情を表現しやすいデバイスを無理にビジネス方向で活用するより、
例えば「ほめられサロン」のようなサービスと組み合わせると、よりステキな使い方が
できるのではなかろうかと思ったものである。
実は、この紫熊というバンド、シグマコンサルティングという会社を母体としており
.NET系技術を活用したコンサルティングや開発を手がけている。Silverlight開発の
解説記事も執筆頂いているのである。今後クラウド関連にも取り組んで頂けそうで、
心強い限りである。締め切り間近なWindows Azureの活用をテーマにしたプログラミング
コンテストNewCloudApp()にも軽いノリで是非挑戦して頂きたい。
真面目に考えると日本の強みは製造業の品質管理と研究開発だ!と凝り固まって
しまいそうなところ、日本の強みはサブカルと電子デバイス制御だ!という直感的に
楽しそうな方向に軸足を移せるのであれば、もう少し気楽にはじめの一歩を踏み出す
ことができ、強みが仮説通りに受け入れられるのであればグローバル展開の可能性も
見えてくるだろう。
そんな中、日本を代表して世界各国の学生エンジニアと戦っている若者たちがいる。
マイクロソフトが主催しているイマジンカップという催しをご存じだろうか。
2003年から徐々に規模を拡大しながら開催されており、昨年2008年のフランス大会に
続き、今年はエジプトで現在開催中である。ゲームデベロップメント部門、組み込み
開発部門、ソフトウェア開発部門、写真部門でそれぞれ競い合われる。
例えば、ファイナリストに進むチームでは、組み込み開発部門の韓国チームが飢餓対策
の一環で栄養価の高い虫類を食料として飼育するシステムを発表していたり、
ソフトウェア開発部門のブラジルチームは、Health VaultやWindows Azure と
SQL Data Servicesなどのマイクロソフトの最新テクノロジーを使用して作成された
ヘルスケアシステムを発表しており、会場の反応は非常によかった模様だ。
おばかアプリ選手権やイマジンカップに出場される方々を見ていて思うことは、
いいものをコツコツつくるエンジニアも、魅せ方を工夫しないとその実力を認めてもらえる
機会が減ってきそうであるということだ。カッコいいユーザーインタフェースを用意すれば
よいということだけではなく、シナリオや空気感の作り方がより重要になってくるだろう。
その際、自分ですべてをやりきる必要はないので安心して頂きたい。エンジニアと
クリエイターと作品の実現に関わる全ての人々が連携してチームを組めば、
不可能ではないだろう。そんなことは言われなくても10年前からわかってるけど
うまくいかずに悩んでいる、という方は、是非ReMIXに遊びに来て頂きたい。
すべてがスッキリ解決!とはいかないまでも、何らかのヒントは持ち帰って頂けるはずだ。
ご優待枠のご相談はこちらまで。shisago@microsoft.com(@は半角)