【MIX延長戦】MIXでSilverlight3の補給を受けFlash Catalystを迎撃
昨日、第五回の丸レクが開催された。テーマは「クラウド時代のRIA技術」。
丸山先生レクチャーシリーズ、通称丸レクは先生のお人柄かテーマの面白さかで毎度大盛況である。
申し込み多数のため抽選の結果選ばれた300名弱が富士通さんのセミナールームに集まった。
冒頭、丸山先生の講義が行われる。
直感的には理解しがたいと思われるRIA(リッチインターネットアプリケーション)とクラウドの関係を、
iPhoneやAndroidなどのRIAを備えた高機能携帯デバイスの登場と、これらのデバイスからの
インターネットアクセス増加がもたらすクラウドの巨大化という流れで整理していただいている。
プレゼンテーション資料はダウンロードできるので興味のある方はご覧いただきたい。
そして、アジェンダをみていただくと、宿敵アドビとマイクロソフトのセッションが
並んでいることに気づくだろう。現時点でアドビがマイクロソフトを宿敵と思っているか
どうかはわからないが、Silverlightテクノロジを広めたい我々からすれば、先行している
FLASHを擁するアドビは戦うべき相手のひとつなのである。
轟氏がアドビのRIAへの取り組みを紹介した後、私の同僚の鈴木章太郎が直近開催された
MIX09での最新情報を詰め込んだSilverlight3とRIAサービスの説明を行った。
内容てんこ盛りで消化不良だったという方は、MIXサイトでのストリーミングをあわせて
ご覧いただきたい。元@IT編集長の新野氏の見立てによるとSilverlight3は
対FLASHではなく対ブラウザ、対Air的な位置づけにある技術と解説しているが、
まさしくその通りである。今度のSilverlightはオフラインでも動く。
Silverlightのオフライン実行に興味のある方は、以前紹介したMesh Enabled Applicationも
チェックしていただきたい。こちらはSilverlight3のリリースを待たずともSilverlight2で動作する。
マイクロソフトは.NETフレームワークを中心に、ソフトウェア開発の技術啓蒙に
注力しており、多くの開発者、ITプロフェッショナルの支持を受けているが、
デザインツール領域では後発であり、Webやグラフィック系のデザイナーの方々には
まだその存在を認知いただけてないということも少なくない。
一方アドビ陣営はデザイナーを中心に支持を受けているのだろうが、
開発者へのリーチに乏しく、FLEXなどを使いこなせる技術者はアドビが
リーチしているデザイナー中心のコミュニティの中では少数派だろう。
お互い無い物ねだりな状況だが、このミリタリーバランスがどちらに傾くかは
両陣営の次期製品Silverlight3およびExpression Blend3、FLASH Catalystの
リリースにかかっている。RIA回戦もクラウドの行く末を左右する重要な戦場なのである。
クラウドに興味のある方々も、引き続きRIAにご注目いただきたい。
さて、今週末には同じく丸山先生がホストされている「クラウド研究会」が行われる。
今回はマイクロソフトの萩原が「クラウドの開発手法と開発パラダイム」を語る。
そして、次回丸レクはOracle Open World最終日の会場内での開催となる。
「キャスバル故郷に帰る」の投稿でも触れたが、同日今はマイクロソフトの私が
クラウド関連のUnconferenceセッションを古巣オラクルの会場で担当する予定である。
会場にお越しの際は、是非お立ち寄りいただきたい。