結局クラウドって何?(1)わかっている気がする。。。よね?
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「結局クラウドってなんなのさ?」
昨年から今年にかけて、IT業界だけでなく、世の中のデジタル物好きにこの思いが頭をよぎらなかった人はいないと思う。
近年デジタル技術の分野で「クラウド」ほど一人歩きした言葉はそうないだろう。
「一部のちょっとしたデジタル好き」の枠を超えて、TVのアナウンサーからインフラ会社の社長、中小企業のエンジニアから孫の写真を楽しみにしているおばあちゃんや現代風に「デジタルレシピ」をSNSに溜め込むパティシエに至るまで、いろんな分野で注目されているこの「クラウド」の正体とは、一体どのようなものなのだろう?
私も昨年、自分の立場柄、業種柄、様々な立場の人間に「クラウドについて」話す機会があった際に聞いた言葉の一例だ。
「クラウドってのは、自分のPCの中にじゃなく、どこからでもアクセスできるサーバーにデータを置く仕組みの事さ」
消費者としては、仕組みの話は正直どうでもいいが、とりあえずみんなそこまでは理解しているようだ。
「クラウドを体験したいなら、DropboxやEvernoteを使ってみればいいよ」
パソコン1台しか持ってない人はどうすれば良いのか?そんな人がクラウドを使うメリットはないのだろうか?答えは限りなくYESに近いが、唯一の例外がある。
「クラウド使うと、職場と家のPC、それと手元のスマホが同期されるんだぜ!繋がるんだぜ!シームレスに!」
ビジネスパーソンとしてはこの辺りが一番興味やそれに見合った恩恵があるだろう。実際私が個人的にクラウドに感じている恩恵の大部分はこの分野にある。
「クラウドって言えばGoogleさ。Gmailとアドレス帳を同期するってことは、Googleのサーバに知り合いの連絡先を勝手に置いてるってことだよ!?そんな事許されるの?!他人のプライバシーを勝手に侵害してるってことだぜ?!」
なんて言ってる人もいた。決して無視できない声だ。
「私は自分のブログに料理のレシピをメモして、それをいろんなところから見ているわ。それもクラウドでしょ?」
一理どころか百里ある。しかし一歩進んだインターネットの使い方を実践していたこの人は、その方式が自分に一番マッチしていると思い込んでいた。
「クラウドで大規模なサーバ資源が気軽に使えるようになる訳だから、私たちのような中小企業が実験的なサービスを展開できる機会は増えるはずだよね」
ではいままでのサーバー資源は、実験的なサービスを立ち上げる上でそんなに敷居の高いものだっただろうか?
日常スマートフォンやパソコン、タブレットでインターネットを利用する人であれば、クラウドに触れていない人は皆無であると言っていいくらい、世の中にはクラウド技術に支えられたサービスが溢れている。
昨年様々な人の「最近流行のクラウドについて聞かせて」という質問に受け答えする中で、
そもそもクラウドとは何なのか?どこから出てきた?
という誰もが「わかっているような気がする」けど何となく自信がないから改めて人に聞いてみたくなるような疑問に対して、IT業界の立場から、いちコンシューマーの立場から、様々に聞いた実話を交えながら整理して行きたいと思う。
※次回アップは〜13日あたりを予定しています。
因に、このブログの中では内容にはそれほど触れないが、今回のテーマを書く動機になった書を紹介しておく。
「iCloudとクラウドメディアの夜明け」
この書は特に昨年進歩が目覚ましく、今年もその流れが引き継がれるであろうエンターテイメントメディアにとってのクラウドに焦点を絞って書かれている。
気になる人は呼んでみるといい。大雑把に要約すると、Appleが運営するiTunes / iCloudとSonyによるQuriocityの企業文化からのクラウドサービスへのアプローチの違いを中心に、Sony PSPサービスからの史上最大規模の顧客情報流出事件や日本における電子書籍業界の状況などを例に、近年のクラウド情勢を解説し、「クラウドメディア」という言葉を使ってベクトルの違うクラウド戦略企業たちが一様に進もうとしているマイルストーンを見据えようと言うものだ。
この書でもいわゆる「僕らにとってのクラウドとはなにか?」をイメージする手段を提供している。
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