笑顔の効用 ~ひとりのときも笑顔でいよう~

笑うことは健康にいいと言われています。
確かに、笑うと気分が高揚しますし、
嫌なことがあっても、笑っているうちに気持ちが軽くなることがあります。
では、できるだけ笑顔で過ごそうと思ったとして、
実際にどこまで続けられるでしょうか?
誰かと話しているときや、楽しいことがあったときに笑顔になるのは簡単です。
しかし、ひとりで道を歩いているときや、
自宅でひとり過ごしているときまで、笑顔を続けられるでしょうか。
いや、むしろ、そんなときこそ笑顔を意識するべきではないかと思うのです。
とはいえ、ひとりで歩きながらニタニタしていると、
周囲から気持ち悪がられるかもしれません(笑)。
ですから、ここでいう笑顔とは、必ずしも歯を見せて笑ったり、
口元を緩め続けたりすることではありません。
笑顔でいるということは、難しい顔をしないということ。
眉間にしわを寄せず、穏やかな表情で過ごす。
それだけでも、十分に意味があるのではないでしょうか。
実際、笑顔にはさまざまな効用があることが知られています。
1.笑顔は気分を明るくする
人は楽しいから笑うものですが、反対に、笑うことで楽しい気分になることもあります。
これは、表情が感情に影響を与える「表情フィードバック」と呼ばれる現象です。
口角を上げて笑顔を作るだけでも、
気分に多少の変化が生じることが研究で示されています。
もちろん、無理に笑えば必ず幸せになるというほど単純な話ではありません。
それでも、気分が沈んでいるときに少し口角を上げてみる。
あるいは、無意識に力が入っている顔の筋肉を緩めてみる。
それだけで、気持ちを切り替えるきっかけになるかもしれません。
つまり、笑顔は楽しいことの結果であると同時に、
楽しい気分を作るための手段にもなるのです。
2.笑顔はストレスを和らげる
笑うことには、ストレスを軽減する働きがあると考えられています。
実際に、笑いとストレスホルモンであるコルチゾールの変化を調べた研究もあり、
笑うことがストレス反応を和らげる可能性が示されています。
また、笑うことで緊張がほぐれ、心身がリラックスすることもあります。
私たちは日常生活の中で、知らず知らずのうちに緊張しています。
仕事のこと、人間関係のこと、将来のこと。
考え始めれば、心配事はいくらでも出てきます。
そんなとき、難しい顔をして考え続けるよりも、少し表情を緩めてみる。
問題そのものが解決するわけではありませんが、
問題に向き合う気持ちは変わるかもしれません。
3.笑顔は人間関係を円滑にする
笑顔の効用として、もっとも分かりやすいのが人間関係への影響です。
初対面の相手でも、笑顔で接してくれる人には親しみを感じます。
反対に、無表情で険しい顔をしている人には、何となく近寄りがたい印象を抱くものです。
同じ言葉を話していても、笑顔があるかないかで、相手の受け取り方は大きく変わります。
つまり笑顔には、相手の警戒心を和らげ、安心感を与える働きがあるのです。
また、笑顔は周囲に伝わります。
誰かが楽しそうに笑っていると、こちらまで笑顔になることがあります。
笑顔は、自分だけでなく、周囲の人の気分まで明るくする力を持っているのです。
もっとも、ここでも大切なのは自然な表情です。
無理に作った笑顔よりも、
穏やかで柔らかな表情のほうが、相手に安心感を与えることもあるでしょう。
4.笑顔は健康にもよい影響を与える
笑いと健康の関係については、さまざまな研究が行われています。
笑うことでストレスが軽減されるほか、
痛みの感じ方や免疫機能などに影響する可能性も指摘されています。
ただし、声を出して笑うことと、静かに微笑むことは同じではありません。
笑顔を作るだけで免疫力が高まるとか、
病気を予防できるとまで断言することはできません。
それでも、笑顔によって気分が明るくなり、
ストレスが和らぐのであれば、
心身の健康にとって好ましい習慣であることは十分に考えられます。
何より、笑顔でいることには、お金も時間もかかりません。
これほど手軽に実践できる習慣も、なかなかないのではないでしょうか。
5.ひとりのときこそ、難しい顔をしない
さて、ここで最初の疑問に戻ります。
ひとりで歩いているときにも、笑顔でいる必要があるのでしょうか。
私は、あると思います。
ただし、先ほども書いたように、
ひとりでニタニタしながら歩いていたら、
少々怪しい人物に見られてしまうかもしれません(笑)。
ですから、無理に笑顔を作る必要はありません。
大切なのは、難しい顔をしないことです。
街を歩いているとき、電車を待っているとき、
あるいは自宅でくつろいでいるとき。
ふと自分の表情を意識してみると、
別に怒っているわけでもないのに、眉間にしわを寄せていることがあります。
何かを考えているときなど、
知らず知らずのうちに険しい顔になっているものです。
そんなとき、少しだけ顔の力を抜いてみる。
口元を緩め、穏やかな表情を心がけてみる。
それだけでいいのです。
そして、私はもうひとつ、期待していることがあります。
ひとりのときも笑顔でいることで、
物事をポジティブに考えられるようになるのではないか、ということです。
人はひとりでいるとき、いろいろなことを考えます。
過去の失敗を思い出したり、将来を心配したり、
まだ起きてもいないことを悲観したり。
そんなとき、難しい顔をして考えていると、
ますます悪い方向へ考えが進んでしまうことがあります。
しかし、穏やかな表情で考えてみるとどうでしょう。
同じ問題でも、少し違った角度から眺められるかもしれません。
「困ったことになった」と考える代わりに、
「さて、どうやって解決しようか」と考えられるかもしれません。
とはいえ、笑顔でいるだけで、すべてが前向きになるわけではありません。
それでも、表情が気分に影響するのであれば、
考え方にも何らかのよい影響があるのではないでしょうか。
ポジティブだから笑顔になるのではなく、笑顔でいるからポジティブになれる。
そんな可能性もあるように思います。
誰かと一緒にいるときの笑顔には、
相手に好印象を与えるという意味があります。
しかし、ひとりのときには、誰かに見せる必要がありません。
つまり、ひとりのときの笑顔は、自分自身のための笑顔なのです。
もちろん、悲しいときや苦しいときまで、無理に笑う必要はありません。
ただ、特に理由もないのに難しい顔をしている必要もないでしょう。
6.笑顔は人生を変えるかもしれない
人間の表情は、長い年月の中で習慣になっていくものです。
いつも眉間にしわを寄せている人もいれば、
いつも穏やかな表情をしている人もいます。
もちろん、表情だけでその人の性格や人生を判断することはできません。
しかし、毎日どのような表情で過ごすかは、
自分自身の気分にも、周囲との関係にも、少なからず影響するはずです。
いつも穏やかな表情でいれば、自然と人が話しかけやすくなるかもしれません。
人との会話が増えれば、新しい出会いや発見が生まれるかもしれません。
そして、ひとりでいるときにも前向きな考え方ができれば、
日常の小さな出来事にも楽しさを見つけられるかもしれません。
そうした積み重ねが、人生を少しずつ変えていく可能性もあります。
考えてみれば、私たちは一日のうち、
どれほどの時間を笑顔で過ごしているのでしょうか?
誰かと楽しく話している時間よりも、ひとりで何かを考えたり、
黙々と作業したりしている時間のほうが、はるかに長いかもしれません。
その時間を、ずっと難しい顔で過ごすのか?
それとも、穏やかな表情で過ごすのか?
この違いは、案外大きいように思います。
したがって、
出来る限り笑顔で過ごす方がなにかと良いのではないかと思います。
人と会っているときだけでなく、
ひとりで歩いているときも、仕事をしているときも。。。
もちろん、いつもニコニコしている必要はありません。
ただ、必要もないのに難しい顔をしない。
そして、何か問題に直面したときにも、
できるだけ穏やかな表情で、前向きに考えてみる。
それくらいなら、誰にでもできるのではないかと思います。
といいながら、私自身にしっかり問い掛けております(笑)。
楽しいから笑顔になる。
そして、笑顔でいるから、物事を前向きに考えられる。
その結果、人生がもっと楽しくなる。
そんな好循環を、自分自身で作っていければと思うのです。