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VVOLのメリットとデメリット

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はやくも今日で12月ですね。急に寒くなってきました。それとともに風邪も流行りつつありますので、手洗いうがい、加湿などの予防策は入念にしましょう。忘年会も始まりますので、健康管理を大事にしましょう。ちなみに私の風邪予防策は、できるだけ電車に乗らないことです。風邪のキャリアが菌を撒き散らしているように思うので、できるだけ自転車で移動するようにしています。

さて、今日はVMwareのストレージ管理技術であるVVOLについてお話します。

vvol_diagram.png

■VVOLとは

VVOL(VMware vSphere Virtual Volumes) は、仮想化ソフトウェアのパッケージであるVMware vSphere 6.0に搭載されているストレージ管理技術のことをいいます。このVVOLを利用することで、仮想マシン単位でストレージを使用することが可能となり、レプリケーションやスナップショットなど、従来はファイルシステムやボリューム単位でしか行えなかった作業を仮想マシンごとに細かく設定できるようになります。これによりストレージ管理者の負担は大幅に軽減されるとともに、高速なバックアップとリストアを実現しコスト削減が図れ、ストレージ市場に大きな影響を与えることとなったのです。特に、SANストレージがVVOLに対応することでこれまで不可能であったり不便であったりしたことが大幅に改善されることとなり、ストレージベンダーにとっては非常に大きなニュースとなったことは間違いありません。SANストレージにとっては、それまではほぼ不可能に近かった仮想マシン毎にボリュームを分け、サービスレベルを個別に設定することが完全に実施可能になり、様々なメリットが生まれることとなったのです。

■VVOL登場の背景とは

仮想マシンがその導入により十分な性能を発揮するためには、導入当初の段階にどのようなストレージをどのくらいの容量・性能で使用し、バックアップをどのくらいの頻度で行うかといった細かいサービスレベル設定を行う必要を求められることになります。こうしたサービスレベル設定は、ストレージ側でボリュームごとに個々に設定する必要があり、仮想マシン側からは設定できませんでした。また、複数のVMDKが同一ボリュームに配置されることとなったため、運用もボリューム単位で行わなくてはならず、他の仮想マシンとのリソース分配の加減も考慮する必要がありました。このような作業が必要となることが仮想マシンの管理者とストレージの管理者にそれぞれ多大な負担を強いる元凶となってきており、改善が求められてきたのです。そもそもストレージを利用する前から最適化して設定することは、よほどの経験者でない限り相当難しい業務となってしまい、仮想マシンを自由に利用する上では大きな障壁となってきたことは事実です。これを利用者目線で大きく改善させることになったのがVVOLの導入ということになるのです。

■VVOLのメリット

VVOLの最大のメリットは、これまで仮想マシンの管理とストレージの管理が分断され双方の管理者の負担を増やしていた部分を一気に解決したことにあります。もともと保守管理を減少させて、効率化を図ることを目標として仮想マシンを利用することを決定した企業としては、こうした改善がはかられたことで、その利用価値を大きく高められるようになったことが大きなメリットとなっています。
VVOLは、ストレージプロファイルとしてストレージが実装している機能を公開するため、仮想マシンの管理者は必要なサービスレベルを実現できる機能をvCenter上で簡単に組み合わせることができ、それをストレージポリシーとして設定。VMware環境の管理者は仮想マシンのストレージ要件を満たすストレージポリシーを選択し、VVOLを切り出せば仮想マシンが作成できることになります。このプロセスはそれまでの設定作業に比べれば遥かに簡単になり、利用価値はきわめて高いものとなりました。これにより仮想マシン単位でのストレージ運用が可能になり、他の仮想マシンとのリソースの調整も自動的に行われることとなることから事前の設計プロセスが大幅に削減されるというメリットも生まれたのです。これにより運用フェーズでの管理者の作業が解放されたことは、これまでにない大きなポイントとなっています。
さらに、VVOLはバックアップの運用を簡単にすることでも大きなメリットを生み出すこととなりました。従来はファイルシステムやボリューム単位でしか行えなかった複製とスナップショットを仮想マシン単位で行えるようになったことから、これを組み合わせることでストレージ機能による高速なバックアップとリストアが実現可能にした点も大きなメリットとなっています。

■VVOLのデメリット

VVOLは表面上は大きなデメリットを感じない仕組みとなっていますが、それでも利用する場合にはいくつかの注意事項が存在しています。このVVOLを使用する環境では、ストレージシステムの構成変更やリソースの状態が仮想マシンの運用に影響を与えることがあります。問題なく運用するためには、ストレージコンテナ内のDP(Dynamic Provisioning)プールは容量に十分な余裕を持つことが必要となります。この容量が不足した場合、仮想マシンからのI/O、仮想マシンの作成や起動、サスペンド、およびクローンの作成などに失敗することがあるのです。同様にThin Imageプールは,容量に十分な余裕を持つことが必要となります。Thin Imageプールの容量が不足した場合も,仮想マシンのスナップショットやクローンの作成に失敗することがあるのです。

また、VVOLを実装するために、ストレージは数万~数十万の個別にアドレッシング可能な仮想ボリューム (NFS内のディレクトリ、または、SAN内の新たに定義されたサブLUN) のが必須となります。例えば、4つのvDiskを持つVMを1,000台VVOLで実装するには4千ものサブLUNが必要になります。このVMにそれぞれ8個のスナップショットを取得した場合、サブLUNの数は3万2千にもなってしまいます。あまり知られていないのですが、ストレージサブシステムにはLUNの数の制限があり、VVOLによるサブLUNの数が元々のLUN制限数に引っかかってしまうことがあるのです。簡単に言えば、VVOLには拡張性があまりなく、大規模な仮想化環境には適さないということです。

そして、これをデメリットと言うかどうかは難しいところですが、いくらVVOLによって仮想マシン単位での管理ができるようになったからと言って、仮想マシン性能の調整や自動化をしてくれるわけではありません。そこは人手を介して細かく調整をしなければならず、性能管理はどうしても伴ってしまうということです。

このように、VVOLを導入すれば、従来型のストレージの仮想環境での問題点が解決できるかと言えば、そうではない用です。ただ、全体のVVOLのメリットに比べれば、こうした問題は許容できるのかもしれません。実際VVOLを利用するにあたっては細かな注意を怠らないようにすることが重要です。なお、VVOLを導入しなくても、仮想マシン単位での管理や性能の自動調整を行ってくれるストレージも登場しています。そのようなストレージの評価も併せて行うことをおすすめします。

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