vGPUで普及しつつある仮想ワークステーションのメリット
おはようございます。週末は運動会でした。ただ見てただけなのですが派手に日焼けしてしまいました。だんだん日に弱くなっているのかもしれません。
今日はvGPUと仮想ワークステーションのお話です。
vGPUによる仮想ワークステーションとは何か?
そもそもGPUとは、3Dグラフィックスの表示をするときに必要な計算処理を行う半導体チップのことを指します。従来、3Dグラフィックスアクセラレータと呼ばれていたチップの発展形として認識されており、3Dグラフィックスアクセラレータと比べて担当する処理が多くなっているのが特徴です。GPUが担当する処理内容は増加傾向にあり、プログラマーが自由に使用できる機能が特に増加してきています。
そして、vGPUとは仮想デスクトップ上にグラフィックスをレンダリングする機能の総称のことです。仮想デスクトップとは、パソコン上ではなく、サーバ上ni置いているため、このグラフィックス処理の大半はサーバー上で行われることになります。仮想ワークステーションの構想を検討する時、元々は、CPUを利用してソフトウェアで仮想化するため、グラフィックスの処理が極めて遅く、せいぜい文字入力などの用途にしか使えないというのが一般的なイメージでしょう。しかし、すでにグラフィックス分野での用途も仮想化技術を利用するトレンドが進んでいるのです。
vGPUは、VDIにGPUの仮想化機能を追加する仕組みであり、グラフィックスの処理はCPUを利用してエミュレーションすることになります。
デザイン現場でも使用されつつある技術
元来、企業は、物理的なサーバーをデータセンターに置き、ユーザーの手元にはPCやその他ワークステーションPCを置き、それぞれをネットワークで接続して利用するというモデルを使っていました。ただ現在では、仮想化技術が進展したことにより、サーバー側自体に、ハイパーバイザーというソフトウェアレイヤーを置いて仮想化するということを進めています。
CADやCAEを行うオフィスでは「OpenGL」などのグラフィックス系APIが利用されるケースが多いですが、こういったAPIは性能が十分ではなく、エンジニアのニーズを満たすことができませんでした。ただ、GPUの仮想化を利用することによって、仮想マシン上からグラフィックス処理を演算できるため、高い処理能力を手に入れることができるのです。こういった技術により、エンジニアが働く場面などでも、仮想ワークステーションは非常にうまく機能しているわけです。
このように、多くの場面、多くの企業で仮想ワークステーションは普及しつつあります。
仮想ワークステーションのメリット
現実的に、ワークステーションにはたくさんの電源があり、大きなファンが回っているケースも多く、室温が上昇するなども問題を抱えている企業が多いです。また、物理的なものの多さから、震災時などに大事な避難場所である机の下がふさがってしまっているという状況もあります。
また、ユーザーが、自分の机の付近にいないと使用できないという問題も、業務効率の観点から多く聞かれます。これを仮想化することでどういったメリットがあるか。それが以下のような点です。
- 環境改善
- 利便性の向上
- 資源有効利用
- CO2削減
それぞれを具体的に見てみましょう。
仮想ワークステーションにすることのメリット
1. 環境改善
仮想ワークステーションにすることで、エンジニアが仮に机に座っていなかったとしてもリモートで利用できるため、労働環境の改善になります。たとえば、会議中にノートPCだけを持ってデータをみながらディスカッションができたりします。こういった状態を保つことで、ユーザーの作業効率を高め、かつアイデアやクリエイティブを高める効果があります。
2. 利便性の向上
データセンターと同様のデータを仮想マシンにおくことで、無駄なデータトラフィックを削減することに繋がります。当然ながらデータトラフィックがないということは、ビジネス上の議論の最中に、データ移行の時間を待つということがなくなるということです。これは明らかな利点といえるでしょう。これまではデータ移行に多くの時間を要するためにできなかった議論というものがありました。こういったことを排除できるのは大きな利点です。
3. 資源有効利用
物理的なサーバーや必要なアプリケーションが少なくなることで、資源の有効活用に繋がります。コストダウンだけではなく、時間的な問題やユーザーのストレスを改善することに繋がります。またこういった取り組みは、事業者としてはとても重要なものです。
4. CO2削減
仮想化の大きなメリットとして「CO2削減」があります。企業としては、CSRの遂行に直結しますし、ユーザー、従業員のモチベーション、ひいては株価などにも影響を及ぼす要因の一つです。そのため、大企業は、業務効率、コスト意識以外のところで、仮想化を進めているというわけです。
このように、仮想ワークステーションのメリットは多いです。当初イニシャルコストは高くつくかもしれませんが、長期的なリターンを考えると大きな効果があるといえます。