人事の提供価値
クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
端的には従業員の働きに応じた給料をきちんと支払うことが人事の提供価値ですが、人の生み出す価値が企業価値に直結する今、いかに人のポテンシャルを開花させ、それを組織の力として組み上げていくか、人事の力が問われています。ではそのような人事が提供すべき価値とは何なのか? TLNTの記事を紹介します。
How Can HR Add Real Business Value? It Takes More Than a Seat at the Table
http://www.tlnt.com/2013/11/12/how-can-hr-add-real-business-value-it-takes-more-than-a-seat-at-the-table/
HR will earn respect when we do something that drives value and revenue in the overall business, not because we have a state-of-the-art technology program, or because the CEO gave us the chair based upon this research.
人事が信頼を勝ち得るのはビジネス全体に対して価値と収益とをもたらすような働きをするからであり、最先端のシステムを持っているからではないし、またどこかの調査結果をもとに人事担当役員を取締役につけるからでもない。
日本では長らく社長へと登る階段の要として人事部長、人事担当役員というポジションが存在し、人事担当役員が取締役の一角を占めることも珍しくありませんでしたが、米国をはじめとする西洋諸国では、人事の位置づけは相対的に低く、取締役とならない幹部も多くいます。そのような中、近年人事担当も取締役になるべきだ、という調査結果が多く出ていますが、著者はそれだけではダメだと言います。
ではどのような価値の創出が人事には求められているのか。著者は以下の6点だと考えているようです。
By making sure that leaders are skilled at developing talent and accountable for business performance
リーダーとなる人に、人材育成と業績貢献に関するスキルをきちんと身につけさせている
これこそが人事の一丁目一番地。
By providing leaders and employees what they need, when they need it, in order to effectively do their jobs.
リーダーや従業員が仕事をする上で必要な要素を必要な時に提供している
事前に伝えておけばいい、後はみんなが必要な時に思い出してくれる、という時代ではなく、その場その場で必要な支援を適切に提供することが必要になってきています。
By meticulously defining workforce needs and assessing talent to fill those needs.
人員に関するニーズを丁寧に理解・把握するとともに、そのニーズを満たす人材を評価(アセスメント)している
多忙なリーダーになりかわって、必要とされる人材を認識し、そこに該当する人材を育てあげておく必要があります。
By having the courage to highlight and defend important work that many leaders don't take seriously or have the time for.
多くのリーダーが真剣に取り合わなかったり時間を割かないような重要な仕事に対して、光を当ててその仕事の位置づけを取り戻す。
忍耐力やレジリエンスが求められますが、これこそが情報(information)ではなく知恵(intelligence)と呼ばれるものになります。
By building trusting relationships with leaders and employees.
リーダー層や従業員からの信頼感を築き上げる。
人事が近づくことを良しとしない風潮を取り除く(笑)。
By ensuring that "HR work" is as easy as possible.
「人事的な仕事」が容易であることを認識させる。
人事プロセスの設計から現場を巻き込み、フィードバックに耳を傾ける。
お読みいただきありがとうございました。
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当社ではかねてより、安定的な高度経済成長後の現代を生き抜くためには、変革型のリーダーと、それを遂行面で支援する若年のリーダーが欠かせない、と考えています。この2種類のリーダーを評価・査定し見抜くツールとして、基本的に1日での実施が可能な人材アセスメントをご用意しています。上記の3番目の価値の創出において、また、リーダー・マネジメント層の育成・選抜に、是非ご活用ください。
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