人事が開発すべきは人かキャリアか
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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリは、すでにTwitterに元記事は流しましたが、Women of HRから採用や人材・キャリア開発に関する記事を共有します。
Are We Developing People or Careers?
我々が開発しているのは人かキャリアか?
Over the past ten years we have seen a shift within organizations toward a focus on the career development of its members.
過去10年ほどの間に、組織内のメンバーに対するキャリア開発にフォーカスした取組が顕著になってきた。
そして、新卒やキャリア採用の場において、求職者に対してキャリアパスの提供が声高に叫ばれます。
"Come grow with us." "Explore your potential with a company that cares about your development." "We invest in our people because they are our greatest asset."
「私たちと共に成長しよう」「あなたの成長を大切にする会社で自分のポテンシャルを発掘しよう」「社員は我が社の偉大な資産であり、我々は人に投資する」
しかし、ここにちょっと奇妙な点がある、といいます。
特にアメリカのように職務に基づいて仕事が設計されている組織では、職務記述書(job description)に書かれていることを遂行することが求められます。したがって、その職務内容から外れた業務を行うことは、自分が役員にでもならない限り難しいはず。
But this new recruit selected the company because they promised to develop her potential. Besides which, her career coach advised her that the new world of work demands ingenuity, creativity, flexibility, bold thinking, and most of all, resilience. Seizing upon these new world of work behaviours could get her labelled as difficult, unable to follow direction and unwilling to be a team player.
しかし、この新しく採用された社員は、この会社が彼女のポテンシャルを花開かせてくれるという約束があったからこそこの会社を選んだのである。さらに、彼女はキャリアに詳しいコーチから、新しい仕事の世界いおいては、今や創意工夫や創造性、柔軟性、大胆な発想、そして何よりもストレス体制が必要とされる、とのアドバイスを受けている。この新しい職務行動に素直に従ってしまうと、彼女は融通がきかず、指示に従わず、チームプレイヤーとしてふさわしくない、という烙印を押されてしまうことになりかねない。
特にキャリアコーチングの世界を10年ほど経験した後に人事に入った人には、このシナリオは分かりすぎるくらい分かるもの、と述べています。
ところでこれまでのキャリア開発の歴史を見てみると、そのルーツは1920年代とそれほど古くなく、退役軍人の服役後にその人と仕事とをマッチングさせる、というところからまず始まっています。その後キャリアにおけるカオス理論の展開により、人と組織との関係が満足度と相関を為さなかったり、人と組織とのマッチングが現在の複雑性や仕事のダイナミズムを十分に捉えきれない、という議論が為されます。
そのような中、現在の求職者は何より意味のある仕事、機会をとらえ自らの能力というキャピタルのゲインを狙うようになっています。しかし、
Organizations, more specifically, human resources, considers the potential of the career, in combination with other factors, in the process of wealth creation. When you are building job descriptions, screening job applicants for a match, and then selecting job candidates who "fit" the job profile, you are using this early person-environment fit model. But we are bringing people in to help keep the organization profitable.
組織、もっと具体的に言うと人事は、富の形成プロセスにおいて他のファクターと共にキャリアのポテンシャルを考慮に入れるようになっている。そして職務経歴書を作り、マッチングさせて求職者をスクリーニングし、その職務プロファイルに"合致/フィットした"求職者を選定するのだが、これは古来の人と組織のマッチングモデルに他ならない。しかし我々は組織に人を導き入れ、組織の収益性を向上させ続けなければならないのだ。
この不一致こそが問題です。
しかし、実際のところ、経営層、組織、人事が求めている人材は、こういった枠からはみ出す人なのです。とはいえその運用は難しいところ。
Are you advertising for square pegs for your square pegs? Not likely. You probably want pegs that can think in round shapes or even in star shapes. You want pegs that can go beyond whatever shapes you offer. But only as long as they fit the job description they were hired for. And they perform according to the metrics outlines in your performance management system. And they turn up each day at a set time. And they follow the company's code of conduct. And they adhere to all applicable health and safety regulations.
人を四角四面の枠にはめようとして採用を行っているのだろうか? おそらく違うだろう。おそらくは丸い形やはたまた星型の枠で考える人が必要なはずだ。こちらが提示したどんな枠をも超えていくような、出る杭が必要だ。しかし採用された職務記述の枠内に留まる限り、という限定がついてしまう。そして彼らは業績管理システムに基づいて行動する。そして決められた時間に毎日出社し、会社の行動指針に従って行動する。そして安全衛生に関する規則を忠実に実行するようになるのだ。
経営環境が大きく揺れ動く中、評価などをはじめとする人事制度や社内のキャリアパス、ローテーションの仕組みなどの設計は、以前のように予定調和的に考えることは難しくなってきています。
人とキャリアそれぞれの成長/開発についても、それらを分けて考えるのではなく、両方をバランスよく考えていく柔軟さが求められているようです。
for all of HR's struggle to become strategic, set benchmarks, and analyze metrics we have forgotten that for individuals, it's still about finding meaning. And, more importantly, as environments change, we must change with it to survive.
人事が戦略的になろうとし、ベンチマークを設定し、人事データを解析するいった諸々の作業の中で、我々はしばしば、個人にとっては働く意味を見出すということが依然として重要である、ということを忘れてしまう。そしてさらに重要なことに、環境が変化した場合には我々は環境に応じて自らを変革し、生き残っていかねばならない。
難しい時期がまだまだ続きます。事業会社、コンサルタントの別なく、組織の人事の力を強化し、そこで働く人のポテンシャルをさらに開花させ、同時に組織の永続的な成長が達成できるよう、力を尽くしてまいりましょう。
お読みいただきありがとうございます!
自分の強みと弱みを知り、個人/組織の能力開発に活かす上で、当社のアセスメントは最適です。
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