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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

初めて人間ドックに行ってきた

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生まれて初めて人間ドックなるものに行ってきた。全くそれらしい記憶はないのだが、注射に対する幼児期のトラウマがあるためなのか、医者にかかるのは嫌いである。嫌いついでに健康診断もできたらやらずに済ませたい。とりあえず毎年の健康診断はきちんとこなしてはいるのだが、オプションとされる検査項目は全てパスである。やらずに済ませられるものを、何も好き好んでやる必要はないのである。

健康診断にあまりよい思い出がないのも事実である。採血の時に注射針がうまく血管に当たらなかったのだろう、右腕に3~4回、左腕にも同じく3~4回も立て続けにブスブスと針を刺された事がある。挙句の果てに針を刺し込みながら、血管を追い掛け回して腕の中で針をかき混ぜるに至っては、頼むからもうやめてくれと言う心境である。とうとう顔が真っ青になって悪寒がしたので、検診室の脇でバスタオルをかけてしばらくベッドに横たわって震えていた。それでもあくまでも採血をするんだと言う看護士は鬼であった。健康診断の採血のために人が死んでもいいのか。結局10分くらい体を温めて血色がやや戻ったところで、倒れたままでようやく採血成功である。もう二度とやるものかと思ったが、不幸なことに血液検査は毎年必須の項目である。翌年から採血の前に、前年の顛末を話して何とか一発で成功させてくれと看護士に頼むようにしている。安易に採血に臨んで、失敗を繰り返されてはたまらない。緊張感を持って取り組んでくれないと困るのである。とりあえずは以降の採血では、倒れる騒ぎには至っていない。

こんな調子なので健康診断とは言っても必須項目だけしか受診しない。ところがある日、医者好き(?)の妻が自身の受診内容と僕のとを比較して、どうも僕の方に項目が不足しているのではないかと言い出した。よい目の付け所だ。検査項目にあらゆるオプションをつけたがる妻と、全てのオプションを排除する僕とでは、違って当たり前だ。僕が健康診断をなるべく受けないのは、健康維持のためなのだ。ただ家族に対する無責任論まで持ち出されたものだから、仕方なく近所の病院で人間ドックに入ることになったのである。

人間ドックというと1~2日かけて徹底的に体の悪そうなところを調べる代わりに、ホテル並みの食事が出されてVIPの気分を味わえるようなところ、というイメージがあった。近所のまあまあの規模の病院で半日のみ、しかも食事なし、というとあまり人間ドックらしさを感じない。実を取るとしたらこんなものなのかもしれないし、そもそもホテルでリッチな時間を過ごそうというのではないのである。実際にやってみたら、会社の健康診断でオプションを全部付けて、さらに少々のプラス・アルファがある程度のものだ。つらい目に会うこともなかったが、当然のように別に楽しいこともない。わざわざ会社を休んだのだが、スケジュール調整もしなければならなかったので、かえって煩わしい。どうせ何も見つからないに決まっている。いや万が一と言うこともあるので、検査結果が返って来るまでは神妙にしていよう。

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