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シニア雇用は「無理なく!楽しく!得意なことを!」

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日本の高齢化社会はもう到来しました。
60歳以上の人口の割合は30%なり、世界一になっています。年齢の中央値も世界一の45歳。最近何かとランクが下がっている日本、高齢化に関しては間違いなく「世界一」です。
 
Who2012
(WHO, World Health Statistics 2012)
 
そして、先日改正高年齢者雇用安定法が今国会で成立しました。
2013年4月から、60歳の定年後も希望者全員を65歳まで雇用することを企業に義務付けられます。賛否両論のこの法案ですが、少子化も進んでいるなかで、アンチエイジングも進んで、元気いっぱいのシニア世代の労働力を活用しない手はないと思います。
ただ、やはりシニアになると、体力が衰えたり、反応が鈍くなったり、早起きだったり(?)、若い世代との違いがあるのは現実なので、その違いを踏まえた上でのシニアの雇用を考えていかないといけないですね。また、貯蓄や年金で働かなくてもいいシニアも多いことを考えると「無理なく!楽しく!得意なことを!」という三拍子がそろうことがシニア雇用成功にとって重要なキーワードになるのではないかと思います。
 
日本でのシニア雇用の有名な成功例としては、「いろどり」でしょう。もう何度もメディアで目にしたかもしれません。株式会社いろどりでは、"つまもの"、つまり日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などを、販売する農業ビジネスを展開しています。平均年齢七〇歳のおばあちゃん達が、PCを使って全国の市場情報を収集し、どんな葉っぱが売れるかを考え、自ら山へ行って葉っぱを広い、全国に出荷しています。
年商は2億6000万円。中には、年収1000万円を稼ぐおばあちゃんもいるそうです。
自分の売上順位も分かるようになっていて、良い刺激となってさらなる発展へつながっているとのこと。こちら、「無理なく!楽しく!得意なことを!」の三拍子がそろった成功例じゃないでしょうか。(株式会社いろどり http://www.irodori.co.jp/
 
もう1点、フランスのおばあちゃん達の新しいビジネスをご紹介します。
GoldenHookという企業で、おばあちゃんの手編みマフラーやセーターが買えるサービスを展開しています。商品は全ておばあちゃんの手編みで、色や素材、編み方が選べるカスタムメイドな商品が注文できるのです。
しかも、フランス。オシャレです。
Golden-HookのFacebookページより
 
さらに、おばあちゃんを紹介するページを見て、自分の好きなおばあちゃんに編んでもらうことができるというから、驚きです。そして、商品が届いた後には、作ってくれたおばあちゃんにメッセージを送ることができ、感謝の気持ちが直接伝えられるそうですよ。
こちらも、「無理なく!楽しく!得意なことを!」の三拍子です。
 
はじめて人類が突入する高齢社会。
日本はその先端を走っています。
今までとは違った新しい考えで、雇用も産業も考えていく必要がありますね。
 
ちなみに、GoldenHookでは、以下の写真のようなおばあちゃん達が、手編みで作ってくれるそうです。「おばあちゃんの手編み」が暖かく幸せな気持ちになるのは世界共通って初めて気がつきました!写真を見てるだけでなんだか幸せ。
 
Granma3
Golden-HookのFacebookページより
 
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