中小企業・小規模企業の共通基盤としてのデジタル化 ~2022年版中小企業白書・小規模企業白書から
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中小企業庁は2022年4月26日、「2022年版中小企業白書・小規模企業白書」の取りまとめを公表しました。
本白書のポイントは以下のとおりです。
総論
- 中小企業・小規模事業者を取り巻く経営環境は、2年に及ぶ感染症の流行や原油・原材料価格の高騰、部材調達難、人材不足といった供給面の制約もある中で、引き続き厳しい状況にある。
中小企業における足下の感染症への対応
- 足下の事業継続とその後の成長につなげる方法の一つとして、事業再構築が重要。売上面への効果や既存事業とのシナジー効果を実感する企業も存在。
企業の成長を促す経営力と組織
- 中小企業の成長を促すための取組として、ブランド構築や人的資本への投資を始めとする無形資産投資に今回着目。
- ブランド構築について、ブランドコンセプトの明確化や従業員への浸透などを行うことも必要。
- 人的資本への投資について、経営者が積極的に計画的なOJTやOFF-JTを実施し、従業員の能力開発を進めることが重要。
小規模事業者における事業見直し・地域課題の解決
- 小規模事業者は、積極的に事業見直しに取り組んでいるが、事業見直し時に様々な課題にも直面。こうした中で、事業見直しにおける支援機関の役割は重要。
- 地域課題の解決に向けて、他の事業者との協業を行う小規模事業者は、支援機関のネットワーク・ノウハウを活用することが重要。
共通基盤としての取引適正化とデジタル化、経営力再構築伴走支援
- コスト変動への対応だけでなく、中小企業における賃上げといった分配の原資を確保する上でも、取引適正化は重要。価格転嫁に向けては、販売先との交渉機会を設けることが重要。
- デジタル化の進展に取り組み、新たなビジネスモデルの確立につながる段階への到達を目指すことが重要。
- 経営者自らが自己変革を進めるためには、支援機関との対話を通じて経営課題を設定することが重要。そのためにも、第三者である支援者・支援機関が、経営者等との信頼関係を築き、対話を重視した伴走支援を行うことが有効。
中小企業・小規模企業の共通基盤としてのデジタル化について、詳しくとりあげたいと思います。
感染症の流行前後で、デジタル化により業務効率化などに取り組む事業者(段階3)は増加しています。
一方で、依然として紙や口頭による業務が中心の事業者(段階1)が一部存在するとともに、デジタル化によるビジネスモデルの変革など、DXに取り組めている事業者(段階4)も約1割にとどまっています。
出典:2022年版中小企業白書・小規模企業白書 2022.4
取組段階が進展するにつれて、営業力・販売力の維持・強化をはじめとする個々の効果を実感する事業者の割合は高くなっています。
そのため、引き続き、デジタル化の進展に取り組み、最終的には新たなビジネスモデルの確立につながる段階への到達を目指すことが重要であるとしています。
出典:2022年版中小企業白書・小規模企業白書 2022.4
また、共通基盤としての経営力再構築伴走支援も重要となっています。
経営者自らが自己変革を進めるためには、支援機関との対話を通じて、経営課題を設定することが重要。そのためには、第三者である支援者・支援機関が、経営者等との信頼関係を築き、対話を重視
した伴走支援を行うことが有効としています。
出典:2022年版中小企業白書・小規模企業白書 2022.4
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