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デジタル・テクノロジを活用したビジネス変革ではコンポーサブル・ビジネスが不可欠

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ガートナージャパンは2021年10月19日、デジタル・テクノロジを活用したビジネス変革においてトータル・エクスペリエンスとコンポーサブル・ビジネスが不可欠との見解を発表しました。

Gartner、デジタル・テクノロジを活用したビジネス変革ではトータル・エクスペリエンスとコンポーサブル・ビジネスが不可欠との見解を発表

GartnerがグローバルのCEOおよび上級ビジネス幹部を対象に2020年7~12月に実施した2021年CEOサーベイでは、ビジネス上の最優先課題のトップに「成長」(56%) が、次に「テクノロジ関連の変更」(36%) をあげています。

Gartnerのアナリストは、

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックの影響もあり、現在のような不確実性の時代において、将来に向けて持続的な成長を目指す企業は、デジタル・テクノロジを活用して、予測不能の事態にも耐え得る能力を獲得する必要があります。CIOはそのような能力によってビジネス価値をどのように生み出せるのか、テクノロジを各業務にどのように適用すべきかといったことを再考する必要に迫られています。言い換えると、CIOにとって今は、ITによってどのようにビジネスを変革できるのかを根本から見直し、実行に移す重要な時期なのです

と述べています。

不確実性の高い時代にデジタルテクノロジを活用して耐える能力の獲得と、ITによるビジネス変革の見直しと実行が重要となっています。

Gartnerが2021年8月に国内企業に勤める従業員および経営者に対して実施した調査で、自社と他社の競合環境について尋ねたところ、過半数 (53.0%) の回答者が5年前と比べて厳しくなっていると回答しました。一方で、優位になっていると回答した割合はわずか11.0%となっています。

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出典:ガートナー 2021.10

一方、同調査でビジネスをさらに発展させるために重視すべきことについて尋ねたところ、上位3項目には「従業員の士気や満足度を高める」(41.8%)、「顧客満足度を高める」(33.5%)、「非効率な業務を廃止または改善する」(31.5%) が挙げられました。回答者の多くは、従業員および顧客への対処と、非効率な業務を改善すべきであると考えていることが明らかになったとしています。

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出典:ガートナー 2021.10

Gartnerのアナリスト(一部引用抜粋)は、

デジタル・テクノロジの普及や進展が目覚ましく、今後はこれを活用した形で『エクスペリエンス』のような目に見えにくいものを付加価値として捉え、変化に柔軟に対応できる『コンポーザブル』な形式でそれを実装・提供していく方向性になると考えられるからです。(中略)

これらのエクスペリエンスのすべてをトータルで管理する『トータル・エクスペリエンス (TX)』が不可欠になっています。そのようにして生み出される付加価値は、ターゲットとなる顧客や関係者に適切なタイミングで効果的に提供されることが重要です。そのためにはアジリティを重視し、リアルタイムにスケールできるような考え方、アーキテクチャ、テクノロジを備えた『コンポーザブル・ビジネス』を推進する必要があります

Gartnerでは、コンポーザブル・ビジネスについて、以下のとおり定義しています。

コンポーザブル・ビジネス:不確実性に直面したときに、リアルタイムで柔軟性と適応性、回復力を備えた組織を構築することができるという考えに基づくもので、「コンポーザブル・シンキング」「コンポーザブル・ビジネス・アーキテクチャ」「コンポーザブル・テクノロジ」の3つの構成要素から成る。それらは、「モジュール化」「オーケストレーション」「自律性」「発見」という4つのデザイン原則に従い、アジリティをもたらすことを最重視する。

今後、コンポーザブル・ビジネスの進展とそれらを支えるコンポーザブルなプラットフォームが重要な位置づけとなるでしょう。

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