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DXの成熟に伴い広がる「データエコシステム」市場 〜 IDC Japan 調査から

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IDC Japan は2021年8月23日、国内ベンダーおよび企業の「データエコシステム」市場における取り組み状況の調査結果を発表しました。

IDCでは、「データエコシステム」を

あらゆる産業の企業が自社のファーストパーティ(1stパーティ)データを、外部のセカンドパーティ(2ndパーティ:協業先の組織)/サードパーティ(3rdパーティ:協業先以外の外部組織)データと掛け合わせ、新たなビジネスモデル/収益モデルを創出すべく形成するプレイヤーの集合体

と定義しています。

IDCの調査では、

データエコシステムに関わるさまざまなプレイヤーの中でも、
「データ取引/シェアリング基盤」
「Data as a Service」
「情報銀行」
「データ流通推進活動」

に関わるベンダーおよび企業に焦点を合わせて調査を行っています。

回答者全体の傾向では、2nd/3rdパーティデータを有償で購入または無償で取得する「外部データ活用」の実施割合は回答者全体の3割以上に達しています。

また1stパーティデータを有償で販売または無償で提供する「内部データ外販」の実施割合も全体の2割前後存在することが明らかになったとしています。

産業分野別に見た場合、情報/通信では有償での内部データ外販の先行事例が比較的多いことが分かりました(32%)。政府/公共、医療/福祉、教育では、オープンデータなどを中心に無償での内部データ外販が浸透しつつあるとしています(38%)。また外部データ活用に最も積極的なのは一般サービスであることが明らかになったとしています(有償/無償共に43%)。

IDCでは、今後国内企業のDXが成熟するに伴い、こうした取り組みはさらに広がると予測しています。

データエコシステムに関わる国内ベンダーおよび企業の動向については、以下に示すような3つの傾向が見られることが明らかになったとしています。

1)顧客エンゲージメント最適化に向けたデータ利活用の需要

本需要に関しては依然として高く、「クッキーレス時代」に向けたインターネット広告/CRM系事業者の技術革新、大手企業のData as a Service事業者化、企業の情報銀行事業の支援などが広がりつつあります。また、海外で先行するオルタナティブデータ活用に対する関心が、国内でも強まっているとしています。

2)特定のドメインに特化したデータ流通に対する期待

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の継続が影響し、人材リソース/スキル、ヘルスケア/医療、地方創生/地域ビジネス、産業オペレーション、社会インフラ/公共安全/公共サービスといった特定のドメインに特化したデータ流通に対する期待が高まっているとしています。

3)データパイプラインの整備に向けての対応

「データパイプライン(データの収集、保護、品質管理、統合、準備、学習、分析、活用などの各プロセスとそれを支えるテクノロジー、および各プロセスに関わる組織と人の総称)」の整備に向け、社内パイプライン関連ソリューションのワンストップ提供、産業横断パイプラインを実現するための技術開発/ルール整備、データ流通関連ワークリソースの拡充、自社/パートナーに限定したプライベート空間でのデータ流通、プライバシーテックの浸透などに注目が集まっているとしています。

IDC Japan コミュニケーションズのシニアマーケットアナリストの鳥巣 悠太 氏は、以下のとおりコメントをされています。

「COVID-19拡大の影響により、今後はフィンテック領域をはじめ、HRテック、セールステック、REG(Regulation)テック、Healthテックなど多様なドメインの外部データ活用の需要が高まる。データエコシステムに関わるベンダーは金融業界に限らず、あらゆる産業において「オルタナティブデータ活用」を意識したDXソリューションの提案が不可欠となる」

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データエコシステムの構成要素と主要プレイヤー
出典:IDC Japan 2021.8

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