オルタナティブ・ブログ > インターネットの第二の波とソーシャルメディアマーケティング >

テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

昨日の敵は今日の友、米国ネットフリックスとベライゾンの共同プロモーション

»

 ベライゾンのサービスに加入すると動画サービスのネットフリックスが1年間無料で視聴できますよ!!やっぱりドラマ視聴はオンデマンドだよね・・・・えええ? これ自社のCATVサービス、ファイオスTVとバッテイングするじゃん@@

「VERIZON LOGO」の画像検索結果

 

fios_netflix_bundles

<出所: ベライゾン>

 背に腹は代えられないとAT&Tも応戦 こっちはアマゾンプライムビデオだぞ!!

ええええええ 自社CATVのユーバースTVはどうするの・・・@@

AT&Tthumb200

<出所:http://www.dslreports.com >

 でもちょっと前まで・・・ベライゾンなんか最低だ!!って言ってたのに・・・・

 「ベライゾンはインターネット中立化を潰した悪魔だ!!」

  怒るネットフリックスのCEOリード・ヘースティングスさんです。

netflix-reed-hastings

 <出所:ネットフリックス>

有料テレビサービス(CATV事業)のファイオスTVを展開している全米トップ通信キャリアのベライゾンが、コードカット促進(CATV契約を廃止し、インターネットビデオに移行する消費者の動き)の仇敵であるネットフリックスと手を結び、年末の販促を実施しています。ベライゾンのトリプルプレイ契約に加入してくれたら動画ネットフリックスの視聴サービスを一年無料で提供すると言う内容です。201510月、ニューヨークでテストマーケティングがなされた結果、好評の為、2015117日まで延長し、全米で実施されることになりました。米国ホリデーシーズンの販促の一コマを飾っています。

ネット中立化を巡る両社の激しい戦い

映画やドラマビデオサービスのネットフリックスとベライゾンはネット中立化を巡り激しく対立していました。ネット中立化に反対のベライゾンがネット中立化実施を提唱するFCC(米国通信委員会)を訴え、「FCCには管理権限が無い」と言う判決を引き出しました。その結果、ネットフリックスは「ベライゾンのブロードバンド上で高速ビデオサービスを提供したいのならお金を払え」とベライゾンから支払いを要求され、要求に屈する一方ベライゾンを批判しまくった経緯がありました。ベライゾンに特別料金を支払っても動画スピードが一向に上がらない事が意地悪と問題にもなっていました。これは今年の6月頃の話です。

既にプライムタイムのインターネットトラフィックの三分の一はネットフリックスの動画ですから、影響は大きいですね。

夏まで二丁拳銃を打ちあっていたその両社がさっと手を組んだ訳です。そしていつの間にかベライゾンの回線上ではネットフリックスは快適に動いています。

注)FCC(米国通信委員会)が提唱するネット中立化とは、いかなる業者のコンテンツもインターネット上の提供スピードで差別してはいけないと言うコンセプトです。しかしベライゾンのような通信キャリアはネットフリックスやYouTubeのような動画トラフィックなどは大量の容量を使う為、別途一種のグリーン車料金を支払うべきだと主張しています。

ベライゾン動画サービスの失敗

ベライゾンはファイオスTVと言う一種のCATVサービスを提供する傍ら、ネットフリックスに対抗する為、レッドボックス・インスタントビデオを提供していました。それが失敗に終わり、201410月サービスを中止しています。その途端ネットフリックスとプロモーションで組みました。

AT&Tはアマゾンインスタントビデオと共同販促 

 一方ライバルのAT&Tはアマゾンインスタントビデオと共同販促しています。

 ★★AT&T Offers $40 HBO, Broadband Bundle With Amazon Prime

テレビもインターネットに吸収される時代の稼ぎ頭はブロードバンド

自社のファイオスTVを差し置いてまでベライゾンがネットフリックスを販促に使う理由は以下の通りです。

1、 電話と同じで放送もインターネットに吸収される時代が来ている。

(特に地上波、続いてCATVや衛星テレビ)

2、 CATV業界の縮小によりブロードバンドでコムキャストなどCATV系企業が稼ぎ始めている。

3、 ネットフリックスは自社のブロードバンドサービスの販促になる

4、 2015年のスペクトラムオークション後を先取りする動き

(放送業界は余ったスペクトラムを通信業界に競争入札で販売するようにFCCが仕向けています)

縮小を開始した有料テレビ業界と放送インターネット移行

既にCBS放送はインターネット同時放送(月間6ドルの再送信放送)を開始しており、ABC放送もテレビエブリホエアの枠内でインターネット同時放送(CATV利用契約者を対象とした再送信放送)を開始しています。2015年にはHBOGOやスポーツのESPNなど続々とCATVの有名放送局によるインターネット上での独立放送が始まろうとしています。

どうやら2014年、2015年は米国放送業界の地デジ以来の第二の転換点になりそうです。

NHKも始める同時放送

2015年春から一定の条件付きではあれ、NHKもインターネット同時放送を始めます。東日本大震災以来、遂にテレビ放送がラジコになります。

2015年にはネットフリックスの日本上陸がささやかれる中、スマートテレビが面白くなってきました。

★★ Verizon extends free Netflix triple-play promotion nationwide

★★ Verizon's Free Netflix Promo Expands Outside of NYC Market

★★ Verizon FiOS Customers Are Now Getting Super-Fast Netflix Service

★★Surprise: Verizon FiOS Now Offering Free Netflix Subscription To Some New Customers

★★ Verizon Is Offering Netflix as a Test of a New Cable Bundle

Comment(0)