スマート革命と広告、モバイル広告の世界でグーグルを脅かすフェースブック(emarketer調査)
<序文>
フェースブックが2013年4-6月期にスマートデバイス(モバイル)の広告売り上げで躍進して以来、逆にクリック単価の下げが止まらないグーグルのモバイル広告が注目されています。2013年8月28日に発表されたemarketer調査では、2013年予測ではグーグルのモバイル広告シェアが53.17%と殆ど変わらず、一方フェースブックは前年の5.35%から15.8%へと躍進です。グローバル市場のモバイル広告全体の数字は166.5憶ドル(2013年)と見積もっています。
尚、パソコンもいれた全体のデジタル広告売り上げの予測はグローバルに見て2013年1、176億ドル、グーグルのシェアは32.84%、フェースブックは5.41%です。
アンドロイドOSを背景としたグーグルのシェアは5割以上ですが、モバイル広告で急激に伸びるフェースブックがグーグルを脅かし始めました。一方グーグルはモバイルにおけるYouTube広告の伸びが予想したほどでは無かったのが影響したようです。フェースブックはニュースフィードへの広告提示が成功しています。
グーグルとしてはアンドロイド戦略の強化=ハードウエア販売やグーグルプレイ販売の強化を迫られそうです。
★★ Facebook Sees Big Gains in Global Mobile Ad Market Share
★★Google Earns 33% of Online Ad Revenues
★★Facebook To Capture 15.8% Of Global Mobile Ad Revenue This Year, Predicts eMarketer, Up From Just 5.35% In 2012
モバイルの広告予測(グローバル市場シェア)
パソコンなどを含む全体のインターネット広告市場シェア予測
<出所:eMarketer>
マシャブルによるグラフ化
<出所:マシャブル>
<グーグルはどうするのか?>
グーグルのモバイル広告のシェアが5割以上を押さえている理由は、emarketer調査によるまでもなく、明らかにアンドロイドOSの成功が背景にあります。グーグルはモバイル広告市場のシェアの現状を維持しながら、ハードウエア販売やグーグルプレイでの稼ぎ、更にアンドロイド上の様々なサービス(地図やレストラン紹介など)で稼ぐつもりでしょう。
アンドロイドOSを押さえ、検索を押さえているグーグルの立ち位置は非常に安定しています。今後ともハードウエア販売などに力を入れて来るでしょう。
<フェースブックはどうするのか?>
モバイルの世界、スマート革命の世界ではフェースブックは何もプラットフォームを持っていません。この点がフェースブックのプラットフォーム上で展開するWebアプリ広告などパソコン時代と状況が全く違います。
従がってフェースブックの15%の広告シェアは不安定だと言えます。
フェースブックとしてはモバイル広告に頼って稼ぎ、その資金でプラットフォーム上で展開するWebアプリに頼っていた古いSNSの仕組みをスマート革命に相応しいものに急いで形態変化される方針だと思われます。(パソコン販売の衰退の中、モノのインターネットの時代、ソーシャルメデイアの仕組みはスマートデバイスに適したメッセージアプリ、アプリの緩やかな連合形態の時代になっています)
稼いでいる間に恐竜から哺乳類や鳥類に変わるのがフェースブックの戦略ですね。