スマート革命とサイバーテロ、韓国にサイバー攻撃をかけた北朝鮮?に何を学ぶか!!?
<序文>
2013年3月10日に朝鮮戦争の休戦協定が北朝鮮により一方的に破棄されて以来、韓国や米国との緊張が高まっていました。そして3月20日の午後には北朝鮮からと思われるサイバーテロが韓国を襲いました。標的はメディアと銀行や証券取引所などの金融機関が対象と言われています。同時に動き出したウイルスが原因で三大テレビネットワークのKBS, MBS とYTNの全てのサーバーがダウンし、銀行ではShinhan Bank や Nonghyup BankのネットワークがシャットダウンしたそうですYTN放送では500台のサーバーが一斉にダウンしたそうです。
一方北朝鮮は現在、米韓軍事演習中の事もあり、逆に「韓国からサイバーテロを受けた!!」と非難しています。韓国メディアは北朝鮮の自作自演と笑っていますが。
もしこれが北朝鮮からの攻撃と判明すれば、朝鮮半島の緊張は一挙に高まり、日本もサイバー攻撃の対象、ひいてはミサイル攻撃の対象になるリクスが高まります。
★★韓国、サイバーテロか TV局や銀行、一斉にサーバーダウン
★★ South Korea Cyber Attack Heightens Tensions In Hair-Trigger Region
<出所:Readwriteweb>
<北朝鮮はハッカー養成の先進国>
北朝鮮は先日、グーグルのエリック・シュミット会長の訪朝を受け入れたことからも明らかなように、インターネットのグローバル社会におけるインフラとしての重要性を十分認識しています。サイバーテロの部隊は中国人民解放軍も養成していると米国は見ていますが、どうやら北朝鮮もそれ以上のハッカー戦争に注力しているようです。これまでも度々韓国に小規模のサイバーテロ攻撃をかけて来たと報じられています。しかし今回は核実験後、国連の制裁に対する抗議の意味で朝鮮戦争休戦協定破棄後の攻撃であり、重要性が異なります。
<サイバーテロの重要性を高めるクラウドサービス、モノのインターネット>
嘗ての工業社会においては、テロやクーデターなどにおいて、政治的、軍事的標的を除いてまず占拠されるのは放送局でした。そして戦争においては爆撃により鉄道や道路網が寸断されました。一方植民地支配においてはインドの東インド鉄道や日本の南満州鉄道などの輸送網が建設されました。
しかしスマート革命が進行し、ケニヤ、ナイジェリア、ルワンダのようなアフリカ諸国やインドなどの発展途上国では、携帯電話が約38億台普及し、遂に経済が離陸を始めています。そしてグーグルは次の5年間で彼らがインターネットに参加してくる可能性を見込んでフィリピンから発展途上国を対象としたGoogle Free Zone を提供開始しています。この議論はスペイン、バルセロナのMWCにおける主要議題でした。
企業の私的な基幹システムをインターネットに移行するクラウドコンピューティング、生活者も企業もあらゆる機器やモノがインターネット接続するモノのインターネットの時代の到来は、インターネットを名実ともにグローバル共和国の最重要インフラへと押し上げはじめています。
古代ローマ時代、「全ての道はローマに通ず」と言われ、道はローマを支えるインフラでした。創造の経済時代には輸送網と共にインターネットがローマの道の役割を果たします。文字通りグローバル共和国を支える道=情報スーパーハイウエーですね。
従がってサイバーテロ対策の重要性はクラウドサービス、モノのインターネットの普及と共に大きくなります。
★★Google、発展途上国を対象としたGoogle Free Zone を提供開始 まずはフィリピンから
<平和ボケの早期克服が求められる日本>
ICT革命が一挙に拡大したのは1990年前後にベルリンの壁が崩れ、ソビエト連邦が崩壊し、インターネットが民間に開放された直後からでした。それまでの工業化社会=大量生産社会の勝ち組だった日本は、その後負けが続き、失われた20年を経験しています。その流れに乗り遅れたのは北朝鮮も同様です。
その結果、北朝鮮は「古い体制を守る為の自爆攻撃」に出ようとしているかのようです。一方尖閣列島の問題で多少目を覚ました日本ですが、鎖国、尊王攘夷の発想からの脱却が未だ不十分であり「アベノミクス」の「ええじゃないか」に浮かれています。
一方米国は中国からと思われるハッカー攻撃に対しては、全く躊躇していません。施設の爆撃の可能性まで検討されていると言われています。
北朝鮮は日本パッシングをしません。結果として日本も実際にサイバー攻撃に晒されたり、ミサイルが飛んで来てから国が目覚めると言うまた手痛い教訓を学ぶのでしょうか。