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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

グーグルテレビは米国地上波の四面楚歌(グーグルテレビの見逃し放送締め出しの危機)を突破できるか!!

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<序文>

 ニューヨークタイムスやウオールストリートジャーナル、テッククランチなど全米で大騒ぎになっている米国地上波と見逃し放送Huluによるグーグルテレビのインターネットアクセス阻止、見逃し放送締め出し騒動です。


「サーチの結果、違反のビデオをテレビで見せるな!!」「広告費を分与せよ!」とか過大な要求が突きつけられています。一方でサムソンが販売するヤフーコネクトテレビ方式のスマートテレビは、Huluも含め特に問題なく各社の見逃し放送は視聴できます。インターネットに接続された特定端末からのアクセスをブロックするのは筆者は独禁法違反ではないかと思うのですが、FCC(連邦通信委員会)はどう判断するのでしょうか。

 

★★ Networks Block Web Programs From Being Viewed on Google TV



 

 ★ Google TV Blocked by Major US Broadcasters



 

<根深いグーグル不信>

 スマートテレビは放送業界にとってコンテンツを販売するチャンスでもあります。しかし同時にスマートテレビへの茫洋たる不安があります。その上で放送業界がグーグルに集中的に意地悪をする理由の背景には根深いグーグル不信があります。

1、著作権違反の悪夢の再来

 米国放送業界は「サーチした違反ビデオのテレビ画面上での放映は許せん!!」「だからそれを確実にストップする手段を講ぜよと」と言っています。その背景にはYouTube台頭時の著作権違反の悪夢があります。また出版業界のグーグル図書館に対する悪夢がそれに重なります。

 

2、広告料の分与要求

 これまでテレビ業界は広告費のインターネットシフトに悩んできました。その受け皿の多くがグーグルだという事も知っています。だから「グーグルテレビ上の広告は放送企業にも分与せよ」と主張しています。

 

3、広告のマジックや秘密暴露の不安

 これまで広告料はニールセンの推定に基づいて計算されていました。実際に視聴した人々の数は不明です。しかしスマートテレビの時代になれば、何れ何人見たか明白になります。そうなれば「従来は広告料のかさ上げだった」と言うことにもなりかねません。米国放送業界はこれを恐れていると言う見方があります。番組によっては逆に広告料が増える可能性もあると思いますが。紙の新聞とネットの新聞の広告料が1桁異なると言う論理がテレビ広告にも適用されるリスクを恐れています。(これは飽くまで見方です。)

 

4、マイクロ取引が傘下の有料テレビを潰す不安

 音楽のマイクロ取引はアプルによって始められ「曲売り」による「情報の束の分解作用」はCDと言うパッケージの入れ物に頼って、不要な曲まで売っていると言う音楽業界の秘密を暴露し、音楽業界は売り上げ規模が半分にまで縮小しました。同じ事が有料テレビでも起きるとささやかれ始めています。番組売りは国内でも始まり、チャネル売りもスマートテレビでは可能です。CATVの見たい番組だけお金を払うと言うビジネスモデルは、伝統ある有料テレビを破壊する可能性があります。

 

 こう言った怒りや不安が今や全てグーグルテレビに集中して袋たたきにあっているイメージです。これが続けば国内で明らかにグーグルテレビ参加を希望していると思われる一部の国内テレビメーカーは二の足を踏むかもしれません。

 

<落とし処はどこか>

 

 最終的にはグーグルは広告料の分与を放送業界に譲歩するかもしれません。それともこのまま戦うのか判りません。しかしグーグルテレビという一部の端末を放送事業者が集団でインターネット接続しないと言うのは、消費者から見てインターネットの自由の侵害であり、筆者はFCC(米国連邦通信委員会)が独占禁止法上の疑義などで黙っていないと思うのですが。


米国の消費者団体や消費者、FCC(米国連邦通信委員会)が動く出す前に両者はどういった決着をはかるのでしょうか。これが原因でグーグルテレビが注目され、3倍売れる事態もありますのでどう転ぶかわかりませんが。

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