多発する自然災害とその教訓から、BCP対策を見直してみませんか
2018年9月6日、北海道胆振東部で大規模な震災が発生しました。被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
2018年は数多くの自然災害が発生しました。1月の関東を中心とする記録的豪雪、6月の大阪府北部地震、9月の台風21号による関西を中心とした浸水、建物倒壊など、一部の被害では現在も事業継続が困難なケースも発生しています。情報システムを担う読者の皆様は、あらためて事業継続計画(BCP対策)を見直す機会ではないでしょうか。
東日本大震災を教訓に、遠隔地バックアップを推進
東日本大震災では、陸前高田市、大槌町、女川町、南三陸町の4市町において、庁舎水没によりサーバ室が壊滅的被害を受け、住民基本台帳や戸籍などのデータが失われました。バックアップは取得していたものの、テープによる管理であったため、完全復旧には至りませんでした。
出典:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110927-OYT1T00710.htm
震災発生前の戸籍データなどのバックアップは、テープデバイスによって取得され、各自治体で管理されていました。そしてバックアップのテープを正本、副本に分けて、年1回年度末に所轄の法務局に発送していました。庁舎水没によりサーバ室が壊滅的被害を受けた4市町では、バックアップの正本が消失、さらには南三陸町の副本を管理していた仙台法務局気仙沼支局も水没し、一時は戸籍データの完全損失が懸念されました。
東日本大震災が発生したのが奇しくも2011年3月。毎年、年度末に副本データを発送する運用をしていたため、副本のデータが2010年3月末までのデータとなり、約11カ月分のデータが消失することになります。当時、紙の記録を元に手作業で復旧が行われましたが、完全復旧には至らず、相続や婚姻の手続きに遅延が発生する事態となりました。
これを受けて、法務省はバックアップのBCP化を推進し、総合行政ネットワーク(LGWAN)を利用した遠隔地バックアップを導入することで、副本データを所轄外の遠隔地の法務局でリアルタイムにバックアップデータが保存される仕組みが構築されました。
情報システムのBCP策定の考え方
中小企業庁は2018年3月、中小企業BCP支援ガイドブックを作成し、情報システムのBCP策定の考え方を分かりやすく解説しています。その中で、BCP対策としてのデータのバックアップについて、以下のように述べています。
・ハードとソフトがそろったら、元の状態に復旧するための方法を平時から練習しておく。→重要情報バックアップリストを作り、バックアップを行う。
・さらに万全を期すならば、社外で確実にデータのバックアップができるサービスの活用を検討する。 →サーバデータの自動遠隔バックアップ サーバリモートバックアップサービス、レンタルサーバのデータバックアップサービスなど。
バラクーダネットワークスでは、東日本大震災発生当初から、遠隔地バックアップを推進してきました。そして2013年4月、バラクーダ・フリークラウドサービスを発表し、自然災害などで日々の業務活動が影響されないよう、Barracuda Backupによるオンプレミスのバックアップアプライアンスに加え、クラウドにバックアップデータを二重化することにより、データ保全性および事業継続性を目的としたサービスを提供しています。
クラウドストレージサービスは、利用時間や通信量に応じて従量課金されることが一般的ですが、バラクーダネットワークスでは、独自のクラウドストレージを採用することで、クラウドの従量課金や、データのリストア時も通信費が不要です。有事の際のデータ復元も、リストア専用のアプリケーションは不要で、Webブラウザからいつでもどこでも容易にデータの復元が可能です。
2018年も残りあと3カ月ほどになりました。年々増加する災害対策に、システム管理者としてできるBCP対策を、今一度見直してみませんか。