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オバマ大統領、再び Twitter を政治の武器に

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はじめにお知らせです。先週に引き続き、ITmedia エンタープライズさんで Twitter の定点観測記事を書かせていただきました。今回も3つのテーマを軸にまとめましたので、ご興味のある方は是非:

Twitter 定点観測: Twitter は進化をやめない (ITmedia エンタープライズ)

宣伝も終わったところで(笑)、せっかくですからもう1つ Twitter ネタをご紹介しておきましょう。先日、米国の医療保険制度改革をめぐり、思わぬ形で Twitter 上の抗議活動が生まれたことをご紹介しました:

英国首相まで巻き込んだ、Twitter 上の国民健康保険制度支持キャンペーン

これに関連して、実は当事者であるオバマ大統領も、Twitter を使ったキャンペーンを展開していました:

Organizing for America | BarackObama.com | Tweet Your Senator

お馴染みのドメイン"BarackObama.com"の下に置かれたコーナーで、Twitter を通じて地元の議員に訴えを起こそうというもの。現在は前述の医療保険をめぐる議論にテーマが置かれていて、地元の上院議員に対するメッセージが簡単に発信できるようになっています。またご覧のように、他の人々が発信したメッセージを確認することも可能です:

tweet_your_senator

試しに発信をしてみましょう。僕が以前住んでいた、マサチューセッツ州ケンブリッジの郵便番号を入力して"TWEET"ボタンを押してみると……

To Sen. Edward Kennedy: Every American family deserves quality health insurance now http://bit.ly/3133JC #hc09 #MA #02141

(Edward Kennedy 様へ。アメリカの家族はみな、良質な医療保険制度を望んでいます。 http://bit.ly/3133JC #hc09 #MA #02141)

別ウィンドウで Twitter が開き、上記の文言が自動的にメッセージ欄に表示されました(ログオフ状態だった場合には、当然ながらログオン画面が挟まれます)。 Edward Kennedy はマサチューセッツ州選出の上院議員で、郵便番号から判断されて入力されたわけですね。ちなみに米国の上院議員は、各州から2名ずつ選出されます。どうして Kennedy 議員の方が選ばれたのだろう?と思って再度"TWEET"ボタンを押してみたところ……

To @JohnKerry: Health insurance reform can't wait any longer http://bit.ly/3133JC #hc09 #MA #02141

(@JohnKerry 様へ。医療保険制度改革は待ったなしです。 http://bit.ly/3133JC #hc09 #MA #02141)

今度はこんなメッセージになりました。ハッシュタグの部分は一緒ですが(「ヘルスケア2009」を意味する #hc09 と、マサチューセッツ州の #MA、そして郵便番号の3つ)、相手はもう1人のマサチューセッツ州選出の上院議員、John Kerry 氏(2004年の大統領選でブッシュ氏に敗れた彼です)に変更されています。彼は Twitter アカウントを開設しているので、直接@つきメッセージで送られるようになっており、また若干メッセージの中身も変わっていますね。

という具合で、オバマ大統領の改革を後押ししたい人々が、Twitter を通じて簡単に声を上げられるような仕組みを設けています。この辺りは大統領選の頃からソーシャルメディアを活用していたオバマ大統領のお手のもの、といったところでしょう。ただし自動入力されるメッセージにどこまでの説得力があるのかは分かりませんし、今回の改革に抵抗する声は根強いようですから、この Twitter キャンペーンが成功するかどうかは微妙かもしれませんが。

効果の程は未知数とはいえ、Twitter が社会と政治の間に普及してくれば、当然こういったキャンペーンやそれを後押しする仕組みは増えていくことでしょう。日本でも衆院選後、ますます Twitter 議員が増え、彼らに声を届けやすくするサービスが登場するかもしれません。

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