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怖いのは犯罪だけか?

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昨日、こんなニュースがありました(こちらの記事からの引用です):

「邪魔だった」でいきなり突き飛ばす 京成線ホームの階段

5日午前8時10分ごろ、千葉県松戸市日暮の新京成電鉄八柱駅で、ホームに向かう階段を歩いて上ってきた松戸市に住む同市立高校2年の男子生徒(16)が、男に手で胸を突き飛ばされて転倒し、右足に軽いけがをした。通報で駆けつけた松戸署員が傷害の現行犯で、埼玉県戸田市中町の派遣社員、土肥秀法容疑者(47)を逮捕した。

またこの手の事件か、と思わせるようなニュースですが、そう感じた方は次の質問に答えてみて下さい(上の記事を読み返さずに):

  • 加害者はどんな人物でしたか?
  • 逆に被害者の方はどんな人物でしたか?

ごく簡単な質問です。答えは加害者が中年の男性、被害者が男子高生。正しく答えられたでしょうか?

そんなの当然だろ、と思われたかもしれませんが、仮に「『邪魔だった』でいきなり突き飛ばす 京成線ホームの階段」というタイトルだけに気を取られていたらどうでしょうか。恥ずかしながら、僕はこのタイトルを見た瞬間に「ああ、また若者が駅で理不尽な犯罪を犯したのだな」と早合点してしまい、記事を読んでいるうちに「あれっ?男子高生は被害者、加害者どっちだ?」と混乱してしまいました。また興味深いことに、と言うと不謹慎だと怒られてしまいますが、この記事を引用して「加害者が年を取ったとき、同じことをされるだろう」とコメントしているブログがありました(明らかに加害者が高校生だと勘違いされているわけですね)。

「若者の犯罪が増加・凶悪化している」と考える風潮があります。しかし統計データを見れば、逆に治安状況は改善していると指摘する意見もあるというのは ITmedia 読者層の方々ならご存知の方も多いでしょう(最近ではこちらの記事が注目を集めていました)。しかし私たちの意識というのは、どうしてもテレビや新聞などで報じられた、衝撃的な事件の方に向かいがちです。最近、駅を舞台に若者が起こした犯罪が相次いで報じられたことが、上掲のような記事を読んだ時に「ああ、また若者か」的な連想をさせてしまった一因なのでしょう。

これが「記事を読んで勘違いしてました」程度の話であれば放っておいてもかまいません。しかし「やっぱり若者は信用ならん」というような偏見につながっていけば、それは様々な副作用を生むことになると思います。例えば最近「携帯電話フィルタリング」の行き過ぎが問題になったのも、「若者は悪いことをする」といった若者性悪説的な思想があったことが背景にあるのではないでしょうか。本当に怖いのは、誤った認識を与えてしまうような報道と、それを無批判に受け入れてしまう私たちの態度だと思います。

実は僕も以前、駅の改札を出ようとしたところ、50代ぐらいのスーツ姿の男性にいきなり蹴られたことがありました。そのオジサンは酔っぱらっていて、「お前が急に横入りした」の一点張り(そんなことは全くなかったのですが)。結局警察沙汰になったのですが、僕が私服だったせいか、警官から「どうせ若い方が悪いんだろう」的な接し方をされて腹が立ったことがあります。警官ですらこの状況なのですから、私たちも誤った認識を持たないように十分注意しないと、と思います。

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