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牛角でダイエット

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「いまダイエット中だから、今日は牛角に行こうか?」 ― 将来こんなセリフが、冗談ではなくなるかもしれません:

「牛角」でダイエットメニュー (日経レストランONLINE)

焼肉チェーンの牛角が、ゾーンダイエットというダイエット理論に基づくセットメニューの販売を開始するとのこと。セットでありながら、全体で1000キロカロリー以下に抑えられているのだそうです。ちなみに「ゾーンダイエット」とは、アメリカのバリー・シアーズ博士が開発したもので、「3大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂肪を4:3:3の割合で摂取し、体内のホルモンバランスを整えて体脂肪が燃えやすい体質を作る」と解説されています(『食事革命 4・3・3ダイエット』という本も出版されているようですね)。

ご存じの通り、外食産業は依然として厳しい環境にあると伝えられています。特に焼肉業界は、例のBSE騒動の影響もあり、売上が激減した企業も多かったとのこと。同じく日経レストランの記事では、「焼き肉業界でも二極分化が進み、中途半端な店は成立しなくなってきている」と指摘しています(日経レストランONLINE「焼き肉業界 最新動向」)。

そんな中での「牛角、ダイエットメニューを販売」というニュースですが、これまでユーザーでなかった人々(健康や体形を気にする男女)にもユーザーになってもらうことで市場を拡大しようという点で、任天堂が DS や Wii でゲーム初心者をターゲットにしたことに通じるものがあるかもしれませんね。しかし「焼き肉」と「ダイエット」と言えば、普通に考えれば水と油の存在。「意外にカロリーが低いんですよ」「健康に必要な栄養素が含まれてますよ」といった変化球で攻めるのではなく、「焼肉店でダイエット」という直球勝負に出たところに面白さを感じます。果たしてこのダイエットメニュー、ヒットとなるでしょうか?

一方、私たちも牛角や任天堂の挑戦に倣って、「既存ユーザーの対極に位置する人々」「既存の商品/サービスを絶対に使うことのない人々」をあえてターゲットに考えてみるのも良いかもしれませんね。牛角にとっての「ゾーンダイエット理論」、任天堂にとっての「脳トレ」のように、これまで到達できなかった人々への糸口が見つかるかもしれません。

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