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年金アウトソース

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ご存知の通り、国民年金の記録紛失事故が大きな問題となっています。僕も過去に転職・留学・無職を経験しているだけに他人事ではないのですが、驚きなのは一連の問題で「単なる入力ミス」が数多く発生している点(例えばこんな調査結果が出ています)。なんでも「名前が読みづらい」という原因で入力ミスが起きた例もあるそうで、そうなると「啓倫」などというおかしな名前をしている僕は、ますます不安になってきます。

この問題の解決に向けて、様々な施策が行われているわけですが(その中の1つに日立が関係していたりします)、「入力ミス」を防げなければ解決の過程で新たな問題が起き得るのではないでしょうか。また今後は同様の事故が起きない、という保証もありません。データ入力を担当するオペレータに優秀な人材を当てるという方法も考えられますが、コストを考えれば難しいでしょう。

というわけで、いっそのこと年金データの処理は、海外の民間企業にアウトソースしてしまってはどうでしょうか。関係書類は画像データにして、セキュリティ(プライバシー)対策を施したうえで受託先に送信。そこでオペレータが細心の注意を払ってデータ入力し、元の画像データは破棄。あとは入力されたデータを日本で処理するだけ、というわけです。人件費も抑えられて、しかもオペレータの質は高い。まさしく完璧なアイデアです。ついでにパンク状態の専用ダイヤルもアウトソースしてしまっては?

……と書くと非難轟々になりそうですが、もちろんそんなに簡単にいくとは思いません。恥ずかしながら年金の仕組みには詳しくないので、恐らく上記のアイデアには何かしら問題があるでしょう。しかし「入力ミス」というあまりに単純な理由でここまで大きな問題が起きているのだとしたら、作業を別の組織が担当した方が良いのではないでしょうか。そしてその組織が、(仮に法律的な問題がクリアできるのであれば)海外の民間企業であってはならないという理由はありません。データ流出の恐れ?既にあちこちで起きているような気がしますが……。

行政をアウトソースするというと、どうしても感情的な議論(「外人」に任せていいのか!etc.)が生まれてきてしまいます。しかし社会保険庁に対する信頼がゼロになっている今のタイミングなら、「いっそ海外の優秀な人材に任せてみない?」という主張が受け入れられるのではないでしょうか。そして「年金アウトソース」が実施されて成功を収めれば、同様の手法で行政機関の効率化が進められるかもしれない……などと畑違いのことを空想してみた次第でした。

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