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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

探し物は、外にある

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あなたの担当する製品が、徐々に売上を減らしているとしましょう。あの手、この手を尽くしてみましたが、どうにも効果がみられません。さて、こんな時どうやって解決策を探しますか?

過去の資料に目を通したり、同僚や上司に相談したり、業界紙を読むなど「社内・業界内の知識を頼る」というのは有効な手段でしょう。いまそこにある知識で簡単に問題解決できてしまうケースは、意外と多いものです。しかしこうした方法には1つの限界があります -- それは、過去の延長線上でしか考えられなくなること。サルが進化しても鳥にはならず、人間にしかなれないように、画期的な解決法というものは過去をベースにすれば必ず生まれるというものではありません。

空を飛ぶことが本当の解決策である時、サルはどうやって鳥になればいいのでしょうか。動物であれば「突然変異」に期待するしかありませんが、幸い人間には、「真似をする」という能力が備わっています。鳥を見れば「翼があれば飛べる」ということが分かるように、同じ問題を自分達には想像もつかなかった方法で解決している人々を見れば、そこからヒントを得ることができるでしょう。時として探し物は、社外・業界外にあるのです。

最近、日本再上陸を果たしたイケア。その歴史を追った本『IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣』では、同社の成功要因の1つとして、積極的に業界外の企業と協力してきたという点が挙げられています。例えば望ましいデザインのイスをプラスチックで作るために、家具作りなどしたことのない化学品メーカーと協力して実現してしまうなど、イケアは業界の外にある知識を活用してきました。どこにあるかも分からない知識を求めて、馴染み深い業界を離れるのはリスキーな行動であることは確かですが、まだ誰も手にしたことのない「翼」を得れるチャンスでもあるのです。

・・・というわけで、ご大層な前振りになりましたが、本日正式オープンしたサイト「ITmedia エグゼクティブ」の中で「ユニーク・ビジネス」というコミュニティを担当させていただくことになりました(ITmedia エグゼクティブについては、こちらのページをご覧下さい)。 「ユニークな取り組みを行っている企業・団体を探して、自分の仕事で参考にしてみよう」というのがコミュニティの目的。特定の分野や地域に偏らず、幅広く面白い話を探して書きたいと考えていますので、シロクマ日報と合わせてよろしくお願い致します。

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