オルタナティブ・ブログ > 佐川明美の「シアトルより愛を込めて」 >

元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

Global Trends 2025を読む 2: 日本をどうみているの?

»

やはり私は日本人。中国もインドもいいけれど、アメリカが日本をどう見ているのかが一番気になる。そこでワードカウントの次は、日本についてまとまって記載しているところを読んでみる。

Global Trends 2025: A Transformed World 第3章の“The New Players” は、

  • Rising Heavyweights: China and India
  • Other Key Players
  • Up-and Coming Powers

の3節からなる。第2節の “Other Key Players” で、ロシア、ヨーロッパ、日本、ブラジルそれぞれについて個別に記述している。この節の日本に関する記述(p.33 - p.35)を下記のとおり訳してみた。なにぶん外交素人の訳なので、文章がこなれていないのはご勘弁ください。

日本:米国と中国の狭間で

日本は、中の上ランクの地位は維持するものの、2025年までに国内、外交政策とも大きな転換に直面するだろう。国内においては、日本の政治・社会・経済システムは、人口の減少、産業基盤の老朽化、そして政治情勢の不安定化に対応するため再構築される可能性が高い。人口減少により、日本政府は外国人労働者に長期ビザを発行するなど、新たな移民政策の導入を迫られるだろう。しかしながら、日本人が移民の帰化に対し抱く抵抗感を克服するのは、容易ではないだろう。人口の高齢化は、増加する高齢者向けの医療制度や介護制度の整備を促進するだろう。

縮小する労働人口 - そして増加する移民労働に対する日本の文化的嫌悪感 - により、日本の社会サービスおよび税収は圧迫を受け、増税と、消費財価格を引き下げるため国内部門の競争を増せという要求につながるだろう。ハイテク製品、高付加価値製品およびIT志向という日本の輸出産業の再構築はさらに続くと予想される。農業就労者は労働人口の2%程度まで縮小する一方、食料輸入への依存は高まるだろう。純減する労働人口には、多数の失業者と若年未熟練者層が含まれている。ホワイトカラー労働者が不足する可能性がある。

選挙における競争は激化し、2025年までには日本の一党体制は多分崩壊するだろう。自由民主党はいくつかの党に分裂するかもしれないが、政党の分裂統合は繰り返され政治麻痺につながる恐れがある。

Comment(0)