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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

メモリアルデーに寄せて

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今年の5月28日はアメリカのメモリアルデー=戦没将兵記念日。今月初めに亡くなったスミティのお葬式を思い出す。

シアトルから程近いケントにあるTahoma National Cemetaryで、12時45分きっかりにセレモニーは始まった。執り行うのは、司祭と現役軍人4名。軍人さんは、遺棺を運び、その上にある国旗をたたみ、そして空砲を空に向かって撃つ。

スミティは陸軍パラシュート部隊の隊員で、第二次世界大戦ではフランスとドイツに、そして朝鮮戦争ではソウルにパラシュートで降り立った。その数は100回を超えたのだという。余り高いところから飛び降りると、パラシュートが開く時間は十分ある一方で敵から撃たれる確率が高くなるので、ぎりぎりの高さから飛び降りるのがこつと、亡くなるほんの数週間前に話してくれたばかりだった.....

私にとってスミティは、いつもジョークをとばす面白い老人に過ぎなかったが、その84年の生涯を司祭が15分の超駆け足でたたえるのを聞き、その重みに頭が下がる思いだった。

他方、太平洋戦争時代の日本の退役軍人の方が亡くなっても、日本では多分何もしないのだろう。なにせ、その戦争を遂行した政府自体が存続していないのだから。

理由が何であれ、軍人にとって課せられた役目は勝つこと、なのだろう。

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