「事件から2年が経とうとしています。」 栃木件今市小学女児殺害事件の被疑者は宇都宮ナンバー
日本に住んでいて恐ろしいと思うのは、日常生活環境で、ひっそりと誰かがいたずらに殺害されることだ。毎日、子供たちが、苦しめられ、命を奪われていく。被疑者を許さないし、こういった事件が起こる社会を許したくない。
2005年12月1日 木曜日。
栃木県今市市(現日光市)の市立大沢小1年、吉田有希ちゃん(当時7歳)が連れ去られ殺害された事件が発生した。犯人は、彼女の胸を刃物で何度も刺し、狂気的な状態に手を施したあと遺棄している。
あれから2年。
2台の車を被疑者のものとしての特定し、依然捜査を進めているが、有力な情報に乏しく、栃木・茨城両県警は報奨金300万円をあげて協力を呼びかけている。「栃木・茨城にまたがる女子児童殺人・死体遺棄事件に関する情報提供のお願い」(http://www.pref.tochigi.jp/keisatu/hanzaisousa/imaiti.html)
事件が風化されつつある今、被害者のご両親の手記が、新聞チラシなどで公表された。
事件から2年が経とうとしています。
事件から2年が経とうとしています。私達家族にとっては、何年経っても、あの日以来、時間が止まったままです。
私のほうを振り返り、バイバイしながら姉と一緒に学校へ向かう有希の姿が目に焼きついています。どうして有希が、あんな無残な姿で、あんな寒い山の中におかれなければならなかったのでしょう。
私達には知りたいことがたくさんあります。
わずか7歳の子供の命を奪った犯人は、今どこで何をしているのでしょうか。
許せない。絶対に許せません。
もうすぐ有希の3回忌がやってきます。
私達の願いは、1日も早く犯人が捕まって、有希の墓前に報告できる日がくることです。
それには、皆さんのご協力が必要です。どんな小さな情報でもお寄せ下さい。
よろしくお願いします。
吉田正信
洋子
事件は、平日の木曜日の午後2時50分頃に連れ去られたことを発端としていると考えられている。
そこから犯人は、宇都宮市街を経由し、国道123号線を使って遺体発見現場の茨城県常陸大宮市東町まで移動している。
筆者は、この憶測が発表される前に、このルートであることを直感していた。
なぜなら、遺体遺棄現場まで、このルート以外は市街地を通ったり、信号が多かったりスムーズに通り抜けられないからだ。国道123号線は貨物車量も多く、渋滞はなく、スピードすら落ちない。
犯人はこの国道を使い、「ツインリンクもてぎ」の前を通過し、現場へと到着した。
なぜ、犯人はこの場所を選んだのだろう。
その点も、直感していた。
ポイントは「栃木と茨城の県境である」ということ。もう一つは「ツインリンクもてぎ」目当てで全国から車やバイクで訪れること。
そもそも民家すら少ない山林地帯ではあるが、通行が盛んな地帯なので、車両を特定されにくい場所だからだ。
ただ、そういった判断をするのは、ある特定の地域に住んでいるものだけだ。
例えば、栃木県在住で国道123号線に遠い地域、例えば事件の発生現場に住んでいるとしたら、遺棄現場まではアクセスが悪く、仕事や遠方への観光などで通らない限り考えつかない。一方で、遺棄現場に近い住民か?という問いも、同じ理由で否定できる。
では、ときどき発生する首都圏から犯罪を行いに遠征してくるパターンか?という問題がある。連れ去り現場は、高速のICから十数分のところにあるからだ。しかし、現場はかなりわかりにくい立地で、遠方からきて調べるのには手間がかかりすぎる。
そう考えていくと、こんな条件が浮かんでくる「国道123号線へのアクセスがしやすい」「連れ去り現場へのアクセスもしやすい」。そうなると、一つしか場所はない。栃木県の県庁所在地「宇都宮市」だ。
後からわかったことだが、容疑者の車のナンバーは「宇都宮」ということが目撃証言などでわかっているという。
さらに宇都宮の土地勘がある筆者ならではの深読みは、「連れ去り現場 今市市と国道123号線をスムーズにアクセスできる場所にすんでいるもの」である。
さらに具体的にいえば「宇都宮北道路」というバイパス(全国唯一制限時速80キロで走れる一般道)近辺在住だ。このバイパスから宇都宮市街地までの間に住んでいる人間の犯行が高いと踏んでいる。なぜなら上の条件でもっともアクセスがしやすいからだ。
なお、対象車両は2台で、以下のような特徴があるという。
「2台は、泥で汚れた白いセダン(千数百cc〜2000cc)と、車内にぬいぐるみを飾っていた白いワゴン車。いずれも、有希ちゃんが連れ去られた12月1日午後2時半から午後3時ごろの間、通学路で複数の人に目撃されていた。セダンは男が運転し、後部がへこんでいた。有希ちゃんと歩いていた同級生が、いったん通過したこのセダンが引き返し、走り去るのを覚えていた。同じ時間帯に、有希ちゃんと同級生が最後に別れた三差路の先でも、目撃されている。」(読売新聞)
栃木県はNシステム(ナンバープレート追跡システム)は配置されていないのだろうか。
ここまでわかっていて逮捕できないのは、とても悲しい。
ご両親も、地域住民も、さぞつらいだろう。
まずは犯人逮捕に協力したいところだ。
そして、こういった狂気を生まない社会作りも重要だと思う。
栃木は交通マナーやモラルなどで狂っている。
弱者をいたぶる世界をなくすためにも、この事件を解決し、地域社会、ひいては日本、世界を安心できる場所に変えていきたいものだ。
それが、亡くなられた吉田有希ちゃんの意志でもあると思う。
【関連URL】
・栃木・茨城にまたがる女子児童殺人・死体遺棄事件に関する情報提供のお願い
(追記2007年12月3日(月)19:55)
「容疑者は宇都宮市街地在住」という推理をしたが、昨日の読売新聞にこのような記述があった。
栃木、茨城両県警の合同捜査本部は、有希ちゃんが、連れ去られた直後の約1時間後に殺害され、この間に車で移動できる範囲内に殺害現場がある可能性が高いとして捜査を進めている。有希ちゃんは、05年12月1日午後2時半から午後3時の間に連れ去られ、翌2日午後2時ごろ、約65キロ離れた茨城県常陸大宮市内の山林で遺体となって発見された。司法解剖で、昼の給食は、腸に残っていたことがわかった。事件発生直後は、連れ去られたという極度の緊張感で消化が遅れる場合もあるとみて、殺害時間は、「2日朝までの間」と幅をもってみていたが、消化状態などから、約1時間と推定した。
捜査本部は、有希ちゃんは車で連れ去られたとみられることから、連れ去り現場から半径約30キロ圏内に殺害場所となる犯人の自宅や関係先があることが想定されるとして、捜査重点地区の見直しを検討している。
また、捜査本部では、連れ去りから殺害までの時間が短ければ、殺害自体が犯行の目的だった可能性も高いとみている。