人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

『葬送の仕事師たち』(井上理津子著、新潮文庫)を読んだ!

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以前から気になっていた『葬送の仕事師たち』という本を読んだ。圧巻だった。息をのんだ。

葬祭業に関わるための専門学校の授業から始まり、エンバーマーの養成講座やエンバーミングの現場の実際、納棺師の仕事、葬祭業全般の様々な仕事、裏の話などなど。

日本でもエンバーマー養成学校がいくつかあって、専門的な訓練を受けた人が一人で何百体もエンバーミングするらしいのだが、闘病の末、やせ衰えた遺体にいろいろ施し、ふっくらさせたり、損傷した部分を補完したりして、故人を送り出すサポートをしているという仕事。様々なやり方があるのだなぁと驚いた。(たとえば、目がくぼんでしまっていたら、眼球の裏に綿を入れる、とか、口がどうしても閉まらない場合は、●●を使う、など)


最後に出てきた火葬の仕事に従事している方の話は、想像を超えていた。

日本は、火葬が90%を超えているが(というか、火葬しなくてもよいらしいのだが)、火葬場では、棺がドアの向こうに消えたら、あとは自動で焼いているのだと思っていた。しかし、実際には、人手が加わっているということを知った。

たとえば、副葬品は燃えにくいため、窓から棒を差し込み、副葬品を取り除くとか、部位によって焼け方が変わるため、身体を動かすとか、最後にバラバラになった骨を人体の骨格らしく見えるよう並べてから遺族に引き渡すとか。

焼き具合の調整も難しく、女性と男性、年寄と若者、体格の違いでも温度や時間が変わってくる。奇麗に焼くため、裏方では職人技が繰り広げられているらしい。

人はいずれ死ぬわけだが、死んだあとにも多くの人の仕事によって送り出されるのだなぁと改めて理解した。

この本のよい点は、著者の視点にある。葬送に関わる人たちに対するリスペクトが十分伝わってくる。
もちろん、葬送の仕事師たちもそれぞれに自分の哲学や想いがあり、みな、それぞれに死者に対するリスペクトがある。

かなりきつい表現もあるので、弱い方は、食事の前後に読むことはおススメしないが(私は平気だった)、死とは何か、を考えるのにはよい1冊である。

チョーおススメ。

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それで思い出したのだが、上智大学の「グリーフケア講座」というのに2年くらい通っていたことがある(2012-13年)。

聖路加国際病院の日野原重明氏も講師に招かれたりして、様々な「グリーフの現場」に関わる方のお話しが聴ける講座だ。

まもなく秋講座が始まる。毎回、超満員になるので、興味ある方は、早めに申し込んでみてはいかがだろう?


詳細は、コチラ

https://www.sophia.ac.jp/jpn/otherprograms/griefcare/mokuteki/itd24t0000004rwq-att/itd24t0000004s08.pdf

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遺体の経過なども詳しく出てくるので、弱い人は、ほんと、気を付けてください。

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